2011年第3回定例会 減税世田谷あべ力也平成22年度世田谷区決算認定意見開陳

2011年第3回定例会意見開陳
減税世田谷 あべ力也は、平成22年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定他5件の全てに賛成の立場から意見を申し述べます。 

 政権交代により誕生した民主党政権は、官主導の「公共事業依存型経済」から、子ども手当、高校授業料無償化といった「ばらまき型補助」を通じた「内需主導型経済」へと舵を切ろうとしました。しかし普天間基地移転問題や高速道路無料化といった国民との公約の反故や尖閣諸島沖漁船衝突事故処理問題に対する国民不信により、参議院選では惨敗。その結果生じた「ねじれ国会」により国政は身動きが取れない状況に陥りました。さらに、本年3月の東日本大震災への対応を巡っては、 「最小不幸社会の実現」といいながら、原発事故処理において、「全ての福島県民」を切り捨てたことは、表看板とは裏腹に、皮肉にも功利主義の典型でありました。この未曾有の現政権による国難は、いずれ歴史という法廷の中で裁かれる事でありましょう。国民不在で誕生した新政権も震災原発事故対応や円高対策などを政策の柱に掲げたものの、鮮明な増税路線に、この国の先行きに明るさは感じられません。一刻も早く衆議院を解散して国民に信を問うべきです。
 この間、国政の迷走ばかりが目立ちましたが、その一方で、全国の地方自治体は互いの連携や協力を惜しまず、「被災地支援活動」を続けています。改めて身近な自治体の真価が問われています。
 世田谷区においては、保坂新区長のもと、前任区長から引き継いだ財政危機解消に向けた取り組みが急務であります。政策の継承が財政難の継承とならないよう決断が求められます。合理的で善良なトレードオフは、区民の理解と支持というインセンティブをもたらします。
それには、区政の情報公開の徹底と区民との対話による意見の聴取を通して区民との合意形成を図るプロセスは、欠く事はできません。この意味で民主主義はプロセスという事が出来ます。権利と義務とをしっかりとわきまえて、区民が等しく「幸福を追求し享受できる世田谷区」を再構築しなければなりません。
 さて、「持続可能な財政基盤の構築」のために更なる聖域なき行政経営改革を進めることは避けて通ることは出来ません。これまでも財政危機に直面しながら見直しに踏み込めなかった縦割りの弊害や各所管間の縄張り意識を捨てて真摯に取り組まなければ、歳入の不足の打開のために職員給与の削減といった極論も現実味を帯びてこざるを得ません。職員の全てが襟を正してこの難局に立ち向かわなければなりません。
 平成24年度の予算編成に向けては、50億を超える財源不足に対し、庁内の全ての所管に、-5.2%のシーリングの通達により何とか50億円程度の財源の確保を目指しているとの事ですが、今後出てくるであろう、その中身は、依然として効率化、先送り、精査、手法の転換といった従来型の見直しになるのではないでしょうか。そうした意味では何とか急場をしのぐ苦肉の策という事でしょうが、残念ながら根本的な解決には結びつきません。持続可能な財政基盤の構築のためには、制度設計そのものを再構築する必要があります。
 新たな制度設計を検討する上で、区政運営の根幹となる新たな「基本構想」及び「基本計画」策定に期待するものです。策定あたっては、審議会の意見提案をしっかり受け止め区民意見を反映する事、また「区政運営方針」により行財政基盤の確立と区政の新機軸への転換をしっかりと打ち出す事が大切です。
 一方われわれ議会と議員に関しては、東京大学大学院の金井利之教授が、興味深い示唆をしておりますので紹介したいと思います。
「これからの議会はどうすべきなのか?」という問いに対して、金井教授は、3つの路線があるとしています。それは、ジリ貧路線、改革路線、悪役路線です。
 「ジリ貧路線」とは、オール与党による口利き体制が終わり、今までは首長にくっついていれば、おこぼれにあずかれたのに財政が厳しくて、おこぼれにあずかれない。それで、以前は金の配分をしていたのに、今度はどこをリストラしないかを決める口利きで、「せめてここだけは削減しないでください」と、切り過ぎのところにブレーキをかけるのが議員の役目になります。これは改革派首長の一生懸命な努力を、少数の既得権を守るけしからん勢力である議会や議員が足を引っ張っているように見え、議員はだんだん白い目で見られるようになり、顰蹙(ひんしゅく)を買う。自分の支持者だけを守っていて、議会は無用の長物であると住民から見放されるという路線です。
 「改革路線」とは、自治体の経営方針を首長ひとりだけに任せず、議員は、首長と同じ様な責任を分ち持って、自治体に対して責任を負う必要があり、今までのように、無責任に気楽なこと言うとか、あるいは、既得権を一部だけ守るという安直なことではなく、経営方針や政策決定といった執行権と責任を持つこと、つまり「予算編成」を議会としてやる路線です。
 「悪役路線」とは、「時代劇のお代官様や悪役レスラーのように、利権構造を創って、ふてぶてしい顔をして居直ることで、議員が悪役に見えれば見える程、首長が善玉に見える。そこで首長に頑張ってもらえば住民のためになり、「なるべく議会改革をせず「三ない議会」を続けて、議会は無能であるというイメージをつくること、そして、悪代官が「俺は悪代官だ」といったら時代劇でも番組になりませんから、悪代官はあくまで「俺は悪じゃない」と最後まで言い張らなければなりません。しかし、それは住民の誰が見ても悪役で、それを割り切って役作りをすべきだ」としています。つまり、悪役になるのも議員の本懐と割り切るという路線です。
 もうひとつは、「マッチポンプ路線」です。これは首長や同僚議員の揚げ足取りと悪口に終始しつつ、問題を作出しては火消しに回り、行革だ!改革だ!とのかけ声ばかり大きいのですが、自らの改革には最も後ろ向きで、生き残りだけを念頭に置いた職業、専業、特権議員に有りがちなマヤカシ路線です。最後の路線は付け足しました。
 締めくくりに、金井教授は「これからの自治体運営は大変厳しい」「是非、憂いや後悔のない路線を選んでほしい」としています。
 これらの路線の中から「改革路線を選択するしか仕方がない」のは自明ではありますが、こうした指摘は、「的」を得ていると思います。 住民に見放されないように議会の改革もまた、待った無です。
 さて、かつての、元気と意欲、そして希望がみなぎっていた世田谷区を再び取り戻すためには、人と人の結びつきやその装置としての身近な地域社会そのものをどう再構築していくのか、また行政システムの思い切った見直しやそこで働く全ての職員が、前例や慣習にとらわれず自ら変わろうとすることが大切です。また、その舵取り役である首長や議会が、果敢に変革に臨み、社会正義を実現しながら、しっかりとした「成長戦略」を描くことの重要性が問われています。
以上申し述べ、賛成意見と致します。

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