維新の勢い全国拡大 連携狙いと対抗意識と
2012.9.4 00:41
民主党の前原政調会長に反発する大阪維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事=3日午前、大阪府庁
橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」の勢いが全国規模で広がっている実態が、1、2両日に実施した産経新聞社とFNNの合同世論調査で分かった。次期衆院選比例代表の投票先を全国11ブロック別にみると、大阪維新は地元の近畿を含む5ブロックで単独トップに立っている。
世論調査で維新の支持率がトップだったのは北海道、東北、東海、近畿、四国の各ブロック。北関東も民主、自民両党と同率首位だった。
こうした維新の勢いを受け、永田町では維新との連携を目指す新たな動きも出てきた。
原口一博元総務相は3日、大阪市内で橋下氏と会談した。原口氏は会談後、「(橋下氏と)切磋琢磨(せっさたくま)して前に進めていきたい」と述べ、衆院選後の維新との連携に含むを残した。民主党代表選への出馬に意欲を示す原口氏にとっては、橋下氏との関係をアピールする狙いもあるようだ。 一方、維新は3日、新党結成に向けて9日に開催する公開討論会について、招待する現職国会議員を民主党の松野頼久元官房副長官ら「道州制型統治機構研究会」のメンバーに限定する方針を決めた。討論会参加の意向を示している自民党の谷畑孝、無所属の横粂勝仁両衆院議員らの出席は見送る方向だ。
連携の一方で、維新vs既成政党の構図も鮮明になっている。
維新は世論調査で示された高い支持率を追い風に、次期衆院選では出身地や経歴に関係ない「落下傘」候補を原則とする方針。一方、自民党大阪府連は3日、衆院大阪10区から出馬予定の松浪健太衆院議員が維新の新党に参加した場合、対抗馬の擁立を目指す方針を決めた。
“舌戦”も過熱気味だ。維新幹事長の松井一郎大阪府知事は3日、維新ブームを批判した民主党の前原誠司政調会長を念頭に「今の民主党のようにはならないようにやっていく」と反論。対する前原氏はBS番組で「橋下さんが思っていることを『ベイビーズ』たちが聞くのか分からない」と皮肉った。