7月23日夜のNHKスペシャル「ワーキングプア 働いても働いても豊かになれない」は、日本の「400万世帯が生活保護水準以下で働いている」「仕事に就けない若者、都会を漂流」と、急増する働く貧困層・ワーキングプアの実態を放送していました。
ワーキングプア:「働いても生活保護水準以下の生活をおくらざるを得ない人」のことで、番組では①アルバイト・フリーターにも就けない30歳代の若者、②年収数十万円の洋服仕立職人、③リストラ退職し、3つのアルバイトを掛け持ちする年収200万円の父親、④4世代家族で生きている秋田県の農家一家などが登場しました。
ある若者(34歳)は、アルバイト・フリーターの非正規労働でスキルアップができず、職場を転々した後、ホームレスに。また、他の35歳の若者は、両親の離婚、その後の母親の失踪で、高校生の時から一人でアルバイト生活、という厳しい実態。
時代に取り残された職人や価格低下の悩む農業経営も大変ですが、若者のワーキングプアも大変です。30歳代になるとアルバイトも少なくなり、親と同居していなければホームレスに転落する可能性は高まります。彼らの多くは、①低学歴(高校中退者)、②親も低学歴、③実家は貧困家庭であり、ワーキングプアがワーキングプアを生み出している側面が浮かび上がっています。
リタイアリッチ: 一方、そこそこの会社で40年前後働き、無事に勤め上げた平均的サラリーマンは、それなりにリッチ(豊か)です。60歳定年退職者の平均退職金は2300万円、預貯金は平均1600万円、そして受給する厚生年金は月23万円程度です。大企業で働いてきた人は、企業年金等が有り、よりリッチ(本物の金持ちに比べればプアリッチですが)であり、彼らはリタイアリッチと呼ばれます。
2007年から順次リタイアする団塊世代の多くも、このリタイアリッチが約束されています。もちろん団塊世代と言っても、平均的・標準的サラリーマン以外の人は、なかなか大変です。リストラされた人、離婚した人、本人か家族が大病した人、零細企業で働き続けた人たちの現実は厳しいものがあります。
この番組をとおして、考えさせられたのは、格差社会の現実と社会構造上の貧困です。これらの対策には、単に政策としてのワーキングシェアなどといったことだけでは解決できない、根の深さを感じます。このまま放置すれば、この格差は広がるばかり。真の健全な社会とはいづれか?この命題を解くのは難しい!
生活保護水準以下「ワーキングプア・リタイアリッチ」
マスコミ出演等
日本テレビ「太田総理」「ズームインスーパー」、フジテレビ「スタメン」「スーパーニュース」、テレビ東京「みのもんたの代議士の妻たち大集合」、文化放送「吉田照美のやる気満々」「エコノミスト」「アサヒ芸能エンタメ」「女性セブン」、テレビ朝日「ワイドスクランブル」「ス−パーモーニング」などにあべ力也区議会議員が出演もしくは取り上げられると共に、明治大学でも地方行政の講演。