滋賀県知事選は2日、投開票され、新人の大学教授・嘉田由紀子氏(56)(無=社民支持)が、現職・国松善次氏(68)(無=自民・民主・公明推薦)、新人の県労働組合総連合議長・辻義則氏(59)(無=共産推薦)を破って初当選した。
同県栗東市で5月末に工事が始まった新幹線新駅建設が大きな争点となり、無党派で草の根の選挙運動を展開した嘉田氏が「凍結」を訴えて、支持を拡大し、国松氏に競り勝った。嘉田氏の当選で、建設は中断する見込み。嘉田氏は、大阪、熊本、千葉、北海道に続く全国5人目の女性知事。投票率は44・94%(前回38・67%)だった。 国松氏に相乗りした自民、民主、公明の3党は予想外の敗北で来年の統一地方選や参院選への対応の見直しを迫られる。
滋賀県は県債残高が約9053億円(今年度末見込み)で、嘉田氏は、県が約117億円を負担する新幹線新駅「南びわ湖駅」(仮称、2012年度完成予定)や、県内でのダム建設を「税金の無駄遣い」と批判。さらに県職員の1割削減、知事退職金返上、小中学校での30人学級実現などを公約に掲げた。立候補表明は4月で、3人の中で一番遅かったが、ボランティアによる選挙運動などでブームを巻き起こし、浮動票を取り込んだ。
当選後、嘉田氏は新駅について「工事を止め、県議会とも話し合いたい」と、改めて凍結することを強調した。
国松氏は2期8年の実績を強調。新駅、ダム建設推進の立場から、「地域活性化に必要」と強調したが、新駅に対する県の巨額の負担について有権者の理解を得られなかった。推薦した3党や連合滋賀など約260団体も、新駅問題で内部に異論があり、足並みがそろわなかったのも響いた。
辻氏は新駅とダムの建設中止を訴えたが、支持を広げられなかった。
(2006年07月03日 読売新聞)
とのことであるが、
地方自治においては、自治の本旨に照らして、国政における政党の理論や数合わせの理論を持ち込まずに、住民の意思がその地域の将来に向けての方向性を決めていくことの重要性を思い起こさせてくれる出来事であったと思います。 あべ力也https://www.aberikiya.jp(携帯もPCも同一です!)