あべ力也2011年第4回定例会一般質問(議会選出監査委員は廃止すべき!)

あべ力也2011年第4回定例会一般質問

1、 区長の在任期間の業績評価について

 世田谷区の財政は大変厳しい状態が続いているという認識でありますが、その責任の所在となるとあやふやで、外的要因に求めたり、責任転嫁と言い訳が、自治体行政の慣行ではないでしょうか?首長は、選挙で選ばれることで自治体を運営統括する権力を委ねられる訳ですが、自治体の抱える問題の全てを解決する魔法のような能力までが与えられる訳ではありません。選挙で選ばれることで明らかとなるのは、当選した者に票を集める能力があることぐらいです。つまり、選挙で選ばれた首長を会計する必要はここにあります。統治者として新人を選ぶ場合は、その実績を評価することは出来ません。しかし、再選を望む統治者や任期を終えた統治者であれば、その業績を評価することは出来ます。区民は、委ねた統治に付いて、会計報告を受け、再任を検討したり、在任期間の業績の評価が出来ます。自治体の財務諸表は、区民に対して、区の財政、資産状況をわかりやすく開示する観点から作成されていますが、区民が能力のある統治者を見いだす機能に付いては、考慮されていません。世田谷区の現在のバランスシートは、区の窮乏を語りますが、区長の財政運営能力の窮乏は、羅列された数字の中に埋没してしまいます。それゆえ、前職の成果と現職の成果を峻別する、それぞれの区長を会計するバランスシートが必要です。「この人でいいのか」もしくは「この人でよかったのか」がわからなければ、会計ではありません。現在の年度ごとのバランスシートに加えて、区長の在任期間ごとのバランスシートの作成を求めるものですが、見解を求めます。
 具体的には、2期8年の熊本区政の間、財政状況はどう変わったのか?財政指標等を含め、熊本前区長と保坂区長との就任時の財政状況の違いはどうか?伺います。
 またそもそも、財政が悪化した原因はどこにあるのか?外的要因ではなく、区の政策としてお答えいただきたいと思います。
財政が悪化する中で、基金を取り崩し、財政規模を維持することに専念し、歳出抑制と財源の確保を怠ったのではないでしょうか?財政の健全性確保に向けた措置は充分であったのか?また、基金を取り崩した総額は累積でいくらになるのか?見解を伺いたいと思います。

2、 世田谷区の観光事業について

世田谷区観光アクションプランの「計画」編では、ハード面での配慮が薄いように感じますが、ハード面については別途検討する予定なのか伺います。
今年、世界遺産に選ばれた平泉町の取り組みでは、先ず観光協会の法人化により、補助金等の受け皿づくりをし、民間との協働を進めたと聞きました。世田谷区は、観光事業を産業として捉えた場合、行政とともに推進していくための民間の核を何処に置き、協働していくのか、伺います。
世田谷区が観光都市を目指すためには、美しい街並を形成するなど、景観条例の果たす役割は重要です。現在進行形の事業等も含め、区の都市整備部門との連携が不可欠です。計画段階からの参画が求められますが、現状と認識について区の見解を求めます。
また、公共物の統一性の確保、たとえば(公共施設としての道路付帯物ガードレールや標識、街路灯)など、ならびに民間の協力による屋上広告物の意匠や掲示場所、掲示方法の検討など、観光事業育成に向けできることから、街の付加価値を上げ、「行ってみたい街づくり」、「住んでよかった街づくり」を推進すべきですが、現行の条例のどのような準用が考えられるのか。お聞かせ下さい。

3、区議会選出監査委員について
大阪のダブル選挙の結果を受けて、各メディアの論調は、「既成政党に対する不信感の表れであり、大阪市民、大阪府民は変化に期待した」と総括しているのに対し、対抗馬に相乗りした、各党の選挙対策責任者は「国政等への影響はない」と火消しに躍起であります。国政や地方行政の閉塞感に対し、既成政党ではない新しい政治に対する国民の期待が高まっていることは事実です。支持を獲得している大きな理由のひとつは「制度的補完体制の打破」に対する期待であります。
 自治体が、あることを継続するに当たり、その頼みとする唯一の根拠が、既に問題を指摘されている条例であったり、慣習などといった曖昧なもので、区民感情からしても理不尽で合理性を欠く「制度的補完体制」(ドミナントロジック)をいかに迅速に打破するかが、現状の地方自治体の執行機関や議会の課題解決には必要です。つまり、長年にわたり遵守し、誰も疑わなかった制度を、もう一度精査し、リノベーションすることの必要性が今問われています。
 私は、この「制度的補完体制の打破」ということをテーマにシリーズで議会質問に臨んでいますが、今回は、議会選出監査委員について取り上げたいと思います。

 地方制度調査会は、「今後の基礎自治体及び監査・議会制度のあり方に関する答申」の中で、次のように指摘しています。
 「地方行政に対する住民の信頼を確保し、透明性のあるものにするため、監査機能の役割は重要性を増しており、現在の監査委員制度の問題認識と解決にむけた制度改革が必要だ」としています。
 すなわち、現行制度においては、首長が議会の同意を得て、当該地方公共団体の常勤職員であった者は1人以内、議員のうちから選任される者は2人以内を選任する。」とされていますが、問題として、
1、 監査を受ける立場の長が監査委員を選任しており、独立性が確保されていない。
2、 議選委員については、短期の交代や内部者のため監査が形式的になりがちではないか
との指摘があり、
監査委員の選任方法を長からの独立性を確保するため、公募による議会の選挙にすべきとの意見や、
議会も長とともに監査の対象となっており、議会からも独立する必要があることから、議選委員を廃止すべきとの意見が多数であった。などとし、
監査委員を公選により選出することも含め引き続き検討を行う必要がある。としています。結論を先延ばしにした感は否めませんが、
 現行法のもとでも、議会選出委員を、2人から1人に減員することや、条例により識見を有する委員の増員などは可能で、専門性を強化する観点から地域の実情に応じた取り組みが行なわれることが期待されると結論づけています。
 さて、当区に鑑みますと、なんら改革が実施されていないのが現状であります。現状を認識するため伺いますが、
 先ず、議会選出委員の報酬、年間出席日数、一回あたりの出席時間、議事録の公開状況はどうなっているのか?
 そして、さらに認識お伺いますが、
1、議会選出委員については、議員としての報酬も得ている訳ですから、報酬が二重に支払わ   れていることにはならないか?ということ、
2、議事録については、ホームページ等を活用して広く区民に公開すべきではないか?
3、 地方制度調査会の答申にもあったように、現行法のもとで実施可能な改革、「議会選出委員を2人から1人にすること、議会選出委員の減員分を監査業務に精通したスペシャリストにより1人増員すること」に関する見解。
4、 監査される側である、区長や議員が、任命したり、監査委員になっていたりとそもそも制度的に瑕疵があるのではないかということに対する見解。
を求めます。

いま、注目を集めている大阪府議会は、既に本年6月に、議会選出委員を1人減員、専門家枠を1人増員する改正条例が成立しています。一方世田谷区は、包括外部監査を当分の間休止するとしており、監査制度強化の流れに逆行するのではないでしょうか?この点についても見解を求め壇上からの質問を終わります。

午前中の質疑にありました、学校給食の牛乳の放射性物質の検出に関し、情報提供やホームページの掲載など、区の対応の早さを評価したいと思います。
なお、今後の検査体制の強化、流通ルートの改善など、着実に進めていくよう要望しておきます。

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