平成28年第4回定例会一般質問(ふるさと納税財源流出を阻止せよ・口きき記録条例について・動物「殺処分ゼロ」実現を・学校での「いじめゼロ」実現を・福祉オンブズマンについて・スクールゾーンでの速度制限について)

平成28年11月29日、第4回定例会にて一般質問を行いました。

主な質問項目

  • ふるさと納税財源流出を阻止せよ
  • 口きき記録条例について
  • 動物「殺処分ゼロ」実現を
  • 学校での「いじめゼロ」実現を
  • 福祉オンブズマンについて
  • スクールゾーンでの速度制限について

詳細は以下をご覧ください。

ふるさと納税財源流出を阻止せよ

 まず、ふるさと納税について伺います。

 第三回定例会での私の一般質問に岡田総務部長は、ふるさと納税事業における寄附金の目標額を設定するつもりがないとの、我が耳を疑う回答でありました。一方、同じ二十三区特別区の中野区では、世田谷区の四十三億円に比べはるかに少ない九億円の区民のふるさと納税による他自治体への寄附額と、三億六千万円の財源流出に危機感を持ち、ことし十月二十日の年度途中から千五百八十六万四千円の予算で事業を開始しました。事業内容は、開始日から平成二十九年三月までの約半年間で三千万円の寄附獲得目標額を設定し、得られた財源の活用目的も多岐にわたり明確に打ち出しております。

 さて、世田谷区は事業実施まで大変時間がかかっておりますが、ふるさと納税事業の展開に向け準備を進めているとの回答でした。中野区のように早急な対策を講じるよう重ねて要望いたしますが、世田谷区のふるさと納税事業による明確な目標額の設定、得られた財源の活用目的、予算規模等の検討状況、開始時期など明確にすることを要望し、説明を求めます。

 また、制度が悪いと嘆くよりも積極的に活用して、区民サービスの低下を招かぬよう財源の流出をゼロにする対策を講じるとともに、世田谷区の事業推進に向けた日本全国から財源を呼び込む制度にするよう求めます。

 さきに区長が推進表明した給付型奨学金制度や、今般表明した保育士支援など、世田谷区の喫緊の課題解決に向けた事業の財源確保に向けたクラウドファンディング事業に加え、「世田谷みやげ」などによる返礼品のeコマース事業とのベストミックスによる世田谷らしいハイブリッド型ふるさと納税制度を来年度の事業としてデザインできるものと期待しておりますが、区長の見解を求めます。

<保坂 区長>

 あべ議員にお答えをいたします。

 ふるさと納税制度について、区の姿勢についてのお尋ねがございました。

 まず第一に、ふるさと納税については、各自治体による過剰な返礼品競争がクローズアップされ、利用も大変ふえておりますが、この返礼品による見返りを受けた住民のみが恩恵を受け、他の住民は失われた税収分の行政サービス低下を甘受しなければならない不公平が生じるなど、地方税制の根幹にかかわる問題があり、特別区長会として国に対して見直しを図るよう主張しているところであります。

 一方、本区においてふるさと納税制度による区税への影響は年々増大し、今年度は約十六億円という大きな影響を受け、国の速報では今年度の寄附金は一・五倍増となるなど、ますます看過し得ない状況になってございます。単純計算で影響額を一・五倍と計算すれば、二十億円台半ばという区財政にとって大変大きなマイナスとなります。

 こういった状況を受けて、やむを得ない財源確保の選択ではありますが、返礼品競争とは一線を画した節度ある範囲での品物の贈呈などで税流出の抑制に踏み込まざるを得ない状態になっております。あわせて、本年度から始めております寄附を通した区政参加を誘導する手法として、インターネットでダイレクトにこの寄附ができる、こういったことの専門サイトの活用や、事業別の用途を明示した上で目標額をはっきり掲げてクラウドファンディングなどを活用するなど、これまで行ってこなかった取り組みも一層工夫しながら進めてまいりたいと思います。

 また、お尋ねの寄附全体の目標額については、この間のふるさと納税制度の影響を危機感を持って捉え、区としての取り組みを総合的に検討する中で、私が判断してまいります。

<岡田 総務部長>

 ふるさと納税制度を活用した事業の検討状況について御答弁いたします。

 区では、区民の参加と協働による支え合いの輪が広がる地域社会を築くため、寄附文化の醸成を実施計画に掲げ、寄附制度や寄附金の活用方法などの積極的なPRに努めてまいりました。また、この十二月より、区へ寄附をしていただく方々の利便性の向上を図るため、民間ポータルサイトを活用したインターネットによる寄附の受け付け及びクレジット決済を開始するために準備を進めているところでございます。

 こうした中、ふるさと納税制度につきましては、自治体間において地元の特産物等を活用した返礼品競争が加熱しており、これによる区財政への影響は年々膨らみ、もはや看過できない状況になっております。

 このような状況を踏まえ、御指摘いただいた返礼品につきましては、「世田谷みやげ」などを品物として活用することによって、産業振興や世田谷の魅力を高める観点から効果的であり、ひいてはふるさと納税制度による区財政への影響の緩和にも資するものと考えております。現在、来年度での実施に向けて関係所管と検討を進めているところであり、そのための予算についても確保してまいりたいと考えております。さらに、区の外郭団体や区内の障害者施設関連の商品などの活用についても検討してまいります。

口きき記録条例について

 次に、口きき記録条例についてです。さきの決算特別委員会での質問に対する区側の答弁が途中まででしたので、改めてお聞きします。

 全国の自治体のうち、都道府県では三十の自治体が、政令市では十四自治体が、中核市においては二十一自治体が条例等を制定し、議会議員などから行政への働きかけ、いわゆる口ききを記録しています。特に、先進的に取り組んでいる奈良市では、インターネット上で公開までしております。また、口きき情報をどこまで具体的に公開するかは自治体によって考え方の違いがあるものの、まずは不当、違法な働きかけに限定せず、全ての記録を徹底することから始めることが住民の行政参加の手段であると位置づけ、制度化することが必要です。

 東京都は、今月一日から要綱を施行し、小池知事の議員ら職員以外からの働きかけに対し、公務員倫理の保持、適正な行政の執行の観点から記録を残すことを徹底したいとの考えを制度化いたしました。

 世田谷区でも、条例や要項等の検討と制定を要望いたします。区の見解を求めます。

<岡田 総務部長>

 口きき記録条例についての区の見解について御答弁申し上げます。

 いわゆる口きき記録制度は、一般的には一定の公職にある人物から行政に対し口頭や電話等の文書によらない行政執行上の要望があった場合に、その内容を記録、公表することで、行政運営の公平性、透明性を高めることを目的とした制度と認識しております。東京都においても十一月に要綱を制定し、新たに口きき記録制度を導入しました。東京都の口きき記録制度は、職員に対して議員や都民、事業者などの外部関係者からの働きかけが面談や電話であった場合に、職員に記録を残すことを義務づけるとともに、記録した働きかけを集約し、年度ごとに概要を公表するという内容と聞いております。

 一方、区ではこれまでも議員を初め外部関係者の声、また直接の区民の声など、さまざまな御要望について各所属において責任を持って対応してまいりました。その上で、区民の声の一部については、開かれた区政の実現の観点から、区のホームページでの公表も始めております。

 区としましては、まずはこの区民の声の公表拡充に取り組み、議員お話しの口きき記録制度については、東京都を初め他自治体の制度内容や運用について研究をしてまいります。引き続き公平性や透明性を確保しながら、区民の目線に立った区政運営を進めてまいります。
 以上でございます。

動物「殺処分ゼロ」実現を

 次に、ペット殺処分ゼロへの視点です。

 小池都知事も公約に掲げるペットの殺処分ゼロですが、私はペットの殺処分のない世田谷区をと願っております。区長はどうお考えでしょうか。また、実際に殺処分をする施設を所管し運営しているのは東京都になりますが、世田谷区の動物殺処分の現状への認識、今後の考え方等をお示しください。

 また、動物殺処分ゼロの世田谷区実現に向けた事業展開を希望、要望いたしますが、区は具体的に何ができると考えるのかをお答えいただきたいと思います。

<保坂 区長>

 動物、ペット殺処分ゼロについての見解のお尋ねがありました。

 先日十一月六日に砧公園で開催された動物フェスティバルに参加をしてまいりました。私も長寿の犬や猫に対して表彰状を渡すセレモニーにプレゼンターとして参加をいたしました。そこには多くの飼い主の方たちが動物と一緒に笑顔で参加されており、飼い主と動物の信頼感を感じられる場面も多くありました。この猫は、捨てられていたのを私が育てましたよという方もいらっしゃって、この動物の殺処分ゼロに向けて、犬のほうはゼロになっている。残る猫のほうについて、例えば、飼い主とのマッチング等をどのように図るのかなど、区として努力をし、殺処分ゼロの世田谷をいち早く実現をしたいというふうに考えております。そのために、既に先行している自治体の取り組みも参考として、区としての取り組みを具体化させていきたいと思っております。

<辻 世田谷保健所長>

 私からは、殺処分ゼロに向けての現状の認識、具体策についてお答えをいたします。

 近年の動物愛護意識の高まりにより、犬、猫の殺処分数は減少傾向にあるものの、東京都動物愛護相談センターでは、平成二十六年度に九百七十九頭の犬猫が殺処分されました。このうち、世田谷区内で保護、収容された犬猫の殺処分数は、犬はゼロ、猫は四十三頭となっており、平成二十一年度に比べ三分の一に減少しております。

 一方、殺処分される犬猫の内訳につきましては、九割以上が猫であり、そのうち六割以上が生後間もない子猫という都のデータもあり、このような子猫をこれ以上ふやさないための対策が重要と考えております。そのため、保健所では飼い猫及び飼い主のいない猫に対する不妊・去勢手術費用の助成制度をより多くの方に利用していただけるよう、区民の方への制度の周知を図っております。また、特に野良猫の増加を防ぐために不妊・去勢手術を実施し、地域で見守っていく地域猫活動を推進しております。あわせて、犬に関しましては、飼い主に対して登録や狂犬病予防接種時の機会等を捉えまして、適正飼養に対する理解を進めております。

 今後も、今申し上げた取り組みを充実させまして、殺処分される動物を減らしてまいりたいと考えております。
 以上です。

学校での「いじめゼロ」実現を

 次に、いじめ対応最優先業務の視点です。

 いじめを防ぐ対策を議論してきた文部科学省の有識者会議は、先月二十四日、教職員の業務の中で、自殺予防、いじめへの対応を最優先の事項に位置づけるなどとする提言案をまとめたとのことです。いじめを小さな段階で幅広く把握するため、いじめの認知件数が少ない都道府県には文部科学省が指導することも求めています。

 一方、東日本大震災で福島県から横浜市に自主避難した中学一年の男子生徒が、転入先の市立小学校でいじめを受けて不登校になった事件で、転入先の小学校の校長が当時の対応の不手際を認めました。市教育委員会は、市立の全小学校に再発防止を促す通知を出したとのことですが、被害児童がかわいそうだという感情とともに、学校や市教委の対応が許しがたいと憤りを感じるのは私ばかりではないと思います。

 世田谷区ではこのようなことが決して起こらないことを願うというわけでありますが、震災により世田谷区に自主避難している児童生徒の数と、避難していることを原因としたいじめ認知の有無についてお教えください。

 また、今般の横浜のいじめに関しては、被災自主避難児童の個人情報を同級生が把握していたこともいじめの要因だと思われますが、こうした児童の個人情報の取り扱いの現状と今後の区の考え方を伺います。

 また、教育長には、この事件に関する御所見と、世田谷区の学校でのいじめに関し、認知件数の増減等を勘案して、教育委員会が把握する実態の説明と、いじめゼロの実現に向け徹底した対策を講ずるよう求めますが、見解をお示しいただきたいと思います。

<堀 教育長>

 いじめ対応について御質問いただきました。

 平成二十三年、二〇一一年度、東京電力福島第一原発事故後に福島県から横浜市に避難した中学生が、小学生のときからいじめに遭っていたという報道に対しまして、教育に携わる者として、また、同じ福島県人として、大変心の痛む事案であります。と同時に、自分の手記を公表した勇気ある行動に拍手を贈ります。

 平成二十五年から施行のいじめ防止対策推進法は、施行後三年をめどとして検討が加えられ、必要に応じた改正をするとされています。昨年度の文部科学省の調査から、学校のいじめに関する感度を高めるために、初期段階で解決したいじめも計上するよう通知がありました。一昨年度と昨年度を比較すると、全国的にいじめの認知件数が増加しており、世田谷区においても件数は大幅にふえております。

 教育委員会では、昨年度いじめ防止の手引きを作成し、四月当初に各学校の職員会議等で活用し、教員が一人で抱え込まずに組織的に対応するよう徹底しております。また、今年度は学級での子どもの状況を把握するためのQ―U調査を全小中学校に導入し、指導に生かしております。

 教育委員会事務局では、毎週月曜日に教育指導課を中心に教育委員会内部でいじめ等の学校情報を共有するとともに、状況に応じて教育支援チームの現場対応も促しております。また、子どもの人権擁護機関、せたホッととも連携し、子どもや学校の支援に努めています。

 いじめ問題は、どの学級にも起こり得る問題であると捉え、今後ともいじめの芽を発見する教員の資質、能力を向上させる研修を初め、いじめを最優先に対応できる学校組織の構築について、繰り返し指導してまいります。
 以上でございます。

<工藤 教育政策部長>

 私からは、いじめ対応最優先という視点から、福島県から避難してきた子どもについての御質問に御答弁いたします。

 東日本大震災などで被災し、現在区立小中学校に在籍している子どもたちは、今年度の調査では二十三名となっております。また、避難してきた子どもがいじめに遭ったという事実は、本区にはございません。学校に転入してきた子どもがいる場合には、通常、子どもや保護者などの意向を踏まえながら、転入前に在籍していた地域や学校なども紹介し、少しでも早く友達関係ができるきっかけづくりの一つとなるようにしております。ただ、家族のプライバシーにかかわる個人情報などについては紹介することはございません。

 教育委員会では、今回の東日本大震災と原子力発電所事故の影響で福島県から避難してきた子どもが、放射能に関連していじめられたり、金銭トラブルとなったりしているといったような横浜市の今回の報道事例を踏まえまして、各小中学校に東日本大震災などにかかわる避難児童生徒への配慮など、同じようないじめを防止する取り組みを徹底するよう指導しております。

 今後ともいじめを未然に防止し深刻化を食いとめる観点から、せたホッとなどの関係機関ともしっかり連携しながら取り組んでまいります。
 以上です。

福祉オンブズマンについて

 次は、福祉オンブズマンについてです。

 決算特別委員会での私の質問に、区長も予防型福祉オンブズマンの役割の必要性について御理解をいただいた答弁だったと思いますが、具体的にどのような施策を検討するのか伺います。

<金澤 保健福祉部長>

 私からは、予防型の福祉オンブズマンについて御答弁いたします。

 福祉サービスの提供主体が多様化している中で、事故を未然に防止するための仕組みを設けることは、区民が安心して福祉サービスを利用し、また、サービスの質の向上を図る上で大変重要であると認識しております。区では、地域保健福祉推進条例で区長の附属機関として設置している世田谷区保健福祉サービス向上委員会において、事故を防止するための区の役割や実効性のある取り組みについて検討を開始いたしました。今月第一回目の委員会では、法に基づく区の指導権限や指導検査体制、これまでの取り組み内容等を報告するとともに、事故の未然防止という視点を課題提起いたしました。今後、他自治体の取り組み等も把握しながら、事故の未然防止に向けて効果的な取り組みを検討してまいります。
 以上でございます。

スクールゾーンでの速度制限について

 最後に、スクールゾーンでの速度制限という視点です。

 今年度、通学路の安全対策として、東京都の補助事業で防犯カメラの設置が行われます。これによって、犯罪の抑止や事件、事故の記録ができるものの、昨今多発している通学路での児童生徒が被害者となる交通事故の根本的な解決にはなりません。

 そこで、学校などの教育施設や福祉施設といったさまざまな公共施設の周辺で、特に運転に細心の注意と安全への配慮を必要とするエリアにおいては、車のスピード制限が事故発生抑止への大きな決め手になると思います。警視庁もゾーン30などの速度制限エリアを設定していますが、学校の周辺においてはスクールゾーンの通行制限ばかりでなく、子どもたちの登下校時の通学路の安全確保のため、警視庁の協力を仰ぎながら、ゾーン30やそれぞれの地域特性に沿った低速走行の速度制限を柔軟に活用し設定することにより、通学路の事故ゼロを実現すべきと考えますが、交通安全の政策を所管する立場及び教育委員会所管の立場双方からの見解を求めます。

<小山 土木部長>

 私からは、通学路の安全対策としての速度抑制につきまして、交通安全政策の立場から御答弁申し上げます。

 ゾーン30導入地域の選定に当たりましては、所轄警察署が警視庁に計画案を提出し、警視庁で実査等を行い審議した後、最終的に東京都公安委員会で導入を決定してまいります。その導入につきましては、地域の発意によるものと警察主導によるものの大きく二つがあり、地域の発意による場合は、ゾーン30導入に向けて地域の機運を高め、要望を取りまとめて所轄警察署に要望していく必要がございます。

 警視庁は、小学校や子ども施設の周辺には積極的にゾーン30を導入したいとの意向があり、これまでに区内でゾーン30が導入された七地域のうち五地区に、この地区内に小学校がございます。こうしたことから、地域からの導入要望を受けとめ、通学路の安全確保を図ることは可能ではないかと考えてございます。

 区といたしましても、道路管理者としてゾーン30を初め、地域特性に沿った速度抑制策について住民周知を含め警察と連携して対応を図ってまいります。
 以上です。

<岩本 教育次長>

 私からは、教育委員会として通学路の速度制限について御答弁申し上げます。

 通学路の安全対策につきましては、各学校でおおむね年一回、学校とPTAで安全点検を実施いただいており、必要な改善に取り組んでいるところです。お話のゾーン30の取り組みにつきましては、面的に歩行者の安全な通行を確保することを目的としていることから、通学路の安全確保に効果があると考えております。

 導入に当たりましては、さきの答弁にありましたように、警察主導のもの以外は地域の機運を高め、要望を取りまとめ、所轄警察署に提出していく必要がございます。教育委員会では、学校、道路管理者、PTAや区内各警察署で構成する通学路安全対策連絡会を設置しており、同連絡会の場を活用し所轄の警察と連携を図るとともに、地域におけるゾーン30導入の動きを捉え、要望の取りまとめと実現に向けた働きかけを行うなど、引き続ききめ細かく通学路の安全対策に取り組んでまいります。
 以上です。

再質問

 ふるさと納税について再質問させていただきますけれども、年末に向けて駆け込み需要が増加することから、マスコミでも取り上げる回数がふえてきているように思います。けさもテレビ朝日でふるさと納税を実施している東京の二十三区の区が八区あるというような説明をしていました。ところが、昨日の東京新聞のふるさと納税十区が返礼参戦という記事で、世田谷区はその十区に入っていて、ふるさと納税返礼品事業を導入していることになっている。区が行っているのは、一般寄附に対する謝礼として福祉作業所などでつくったクッキーなどを贈っているということです。これは、ふるさと納税に対する対価の返礼として何らかの物品やサービスを寄附者に選んでもらう返礼品事業とは全く別だと思います。取材を受けた課長が、新聞記者の方が錯誤するような説明をし、結果、ふるさと納税の返礼品事業を既に開始しているがごとき報道をさせたのは、詐術に近いと思います。

 区のホームページを見ても、ふるさと納税の返礼品事業を特定できるものは見当たりません。「区のおしらせ」特集号で寄附の謝礼について区民に説明したとのことですが、九十万区民はこれをもって世田谷区はふるさと納税の返礼品事業を実施しているという認識は現状ありませんし、納得しないでしょう。こうした区民をばかにしたやり方には、あきれるばかりです。

 改めてお聞きしますが、いつからふるさと納税の返礼品事業を開始するのですか。来年度との回答が総務部長からありましたけれども、来年度どの時期に、早期なのか、その辺も含めて区長に改めて答弁を求めたいと思います。

<保坂 区長>

 あべ議員の再質問にお答えをいたします。

 まず、認識としてはあべ議員がおっしゃっている一般寄附に対する謝礼として、現在、例えば福祉の基金であればクッキーなどを贈っているという対応、また、寄附型ということで児童養護施設の基金、一番寄附もいただいていますけれども、これに対する謝礼は、この助成を受けた若者の声をリーフレットにしてまとめるとか、子ども基金であれば活動報告書を送るとか、そういったことになっておりますので、返礼品事業とは全く別だということはあべ議員の指摘のとおりであります。

 昨日の東京新聞のふるさと納税十区が返礼参戦という内容になっておりまして、私も記事を何回も読みましたけれども、これはちょっと誤った報道ということで、訂正なり、実際はこうだということをさらに正確に報道してもらいたいと思っておりますが、この中で、福祉作業所でつくったお菓子などを返礼品にする試みを始めたとあって、その返礼品という言葉から十区ということで束ねられた表現になったのだと思います。

 したがって、区としては、いわゆる返礼品競争とは一線を画して、寄附文化を醸成するための心を込めた記念品ですよということで、障害者施設のお菓子なども出している、あるいは文化施設の入場券なども出しているわけであります。ただ、先ほど答弁申し上げたとおり、どんどんこのふるさと納税額が増加をし、区財政への影響も看過できないという状況であることから、基本、いわゆる返礼品合戦、つまり、一万円寄附したらこれだけのものが来るということの競争ですね。そこに参入するということではなくて、あくまでも寄附文化の醸成なんですけれども、その記念となる品物についてより工夫を、「世田谷みやげ」であるとか、障害者施設でつくられたものであるとかに凝らしていこうということを考えております。

 今回の記事に至る取材の中で、今回十区が参戦というのは違いますよということは新聞のほうにもお伝えをし、より正確に、また本区における取り組みをしっかりフォローしていただきたいということと、また、区のより効果的、正確な税収への影響も非常に大きいわけですから、そのスタンスも含めた正確な情報発信を努めていきたいと思います。

 お答えいただきましてありがとうございました。

 明確ないつからというお答えはなかったんですが、来年度早期に実現をしていただくように、これは改めてまた要望しておきたいと思います。

 それと、口ききの記録条例についても、東京都がこれを始めたということでありますから、東京都の特別区である世田谷区が、これをできないわけがないわけでありまして、これも要綱、条例等制定に向けて、しっかり研究をしていただいて、情報公開の徹底に向けて検討していただきたい、早期に実現をしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

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日本テレビ「太田総理」「ズームインスーパー」、フジテレビ「スタメン」「スーパーニュース」、テレビ東京「みのもんたの代議士の妻たち大集合」、文化放送「吉田照美のやる気満々」「エコノミスト」「アサヒ芸能エンタメ」「女性セブン」、テレビ朝日「ワイドスクランブル」「ス−パーモーニング」などにあべ力也区議会議員が出演もしくは取り上げられると共に、明治大学でも地方行政の講演。