2014年世田谷区議会第2回定例会あべ力也一般質問


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2014年世田谷区議会第2回定例会 あべ力也一般質問
「区における非常勤職員等の実態について」

 第一回定例会におきましては、外郭団体の非正規雇用、特に「個人業務委託契約」について取り上げましたが、今回は区本体における「臨時・非常勤等職員」の実態と課題等について伺います。
 行政においては、これまでの間、行政改革の推進の観点から、正規職員の定数削減とあわせて、臨時職員や非常勤職員の活用が全国的に進められてきました。
 自治労の2012年の調査によると、自治体の「臨時・非常勤等職員」の比率は、33、1%であり、全国で70万人以上が雇用されています。これは自治体職員の3人に一人で、今後も増加が見込まれています。現状すでに、「臨時・非常等勤職員」がいなければ自治体業務は、回せない状況となっていますが、公務員だからとパート労働法などが適用されず、非正規だからと雇用の保障もない、いわゆる「法の谷間」の働き手のため、恒常的な業務についているのにもかかわらず、突然雇い止めにあったり、更新回数に上限が設定されていたり、その給料や一時金、諸手当などの労働条件においても、国や民間と比べて遅れをとり、整備されていません。結果、正規職員と比較すると劣悪で、不安定な雇用の状況に置かれています。
一方民間では、そもそも、パート労働法に基づき、正規と非正規との間での均衡・均等待遇の確保が要請されています。また、最近では、非正規雇用者の労働環境改善の点から、無期労働契約への転換等を盛り込んだ改正労働契約法も施行されるなどの動きもでてきています。
 民間企業と行政では、その労働者・職員に適用される法体系は異なりますが、総務大臣も、自治体が通常の労働者との均衡待遇の確保をはかるパート労働法の趣旨を踏まえた対応を行うことは重要との答弁を行っており、総務省も、パート労働法改正や労働契約法改正などを念頭に、民間労働法制の動向に留意する必要があると指摘しています。
 世田谷区においても、この間、正規職員の削減とともに、臨時職員や非常勤職員が増加してきています。非常勤等職員は、区政の各部門で重要な役割を果たしており、区民サービスの提供にも欠かせない存在となっている状況があります。正規職員との「均衡・均等待遇」の考えから、非常勤等職員の待遇を一層改善していく必要があると考えます。
まず、区では、正規職員の数に対して、どのくらいの「臨時・非常勤等職員」がいるのか、内訳として、地方公務員法22条に定められた臨時職員、3条3項3号の特別職非常勤、17条の一般職非常勤のそれぞれについて現状と、区内在住者の人数比率、男女の人数比率も合せて伺います。また、その賃金、通勤費、一時金等の支給状況についてお聞かせ下さい。(1)

 特に非常勤職員については、年間を通した雇用であり、更新もあることから、長く区役所の仕事をしている職員も多いと聞きます。非常勤職員は、区役所内部の様々な事務部門をはじめ、保育園や新BOP等の各事業部門など、区政の様々な分野で働いています。勤務時間などは正規職員とは異なるものの、その職務内容は、恒常的・本格的な業務に従事しているものであり、行政サービスの展開の上では、正規職員とともに大きな役割を果たしています。
 しかし、その報酬については、正規職員の給料の仕組みとは異なり、基本的に、職ごとに一律で定められています。正規職員のように経験に応じて報酬が上がっていくといったものにはなっていません。こうした状況は、非常勤職員のモチベーションにも大きく影響します。
 荒川区や千代田区では非常勤職員の経験や能力に見合った報酬額の見直しを実施しています。また東京都は平成25年5月2日、現在ほぼ一律の報酬額となっている非常勤職員の処遇改善に取り組むと発表しています。国は、非常勤職員は単年度雇用が基本であるとして、継続雇用を前提とした昇給制度は認めておらず、先行する2区も制度設計には細心の注意を迫られたと聞きます。どのような処遇設定であれば法制度の範疇といえるのか?両区の事例を検証、参考にし、世田谷区でも
 非常勤職員の役割の重要性を踏まえ、報酬については、職務経験といった要素を加味した決定方法にしていくべきと考えますが見解を伺います。(2)

 また、非常勤職員は、正規職員とは異なり、一時金、いわゆるボーナスも支給されていません。
 非常勤職員に対し、一時金を支給していない理由は何か。一時金を正規職員と同様に支給をすべきと考えますが、見解をお聞かせ下さい。(3)

 次に、雇用期間の問題です。非常勤職員は、一部の職種を除き、1年の任用で更新限度4回、計5年までというのが基本原則となっているようです。冒頭述べたように、民間では、改正労働契約法の施行により、5年で無期雇用への転換が可能になるといった状況も出てきています。有期限の雇用は、労働者の生活を不安定にさせるものです。
 雇用期間の上限を撤廃することが必要と考えますが、区の見解を伺います。(4)

 最後に、非常勤職員に対して一時金が支給されていないことに関しては、地方自治法の規定が障害になっている面もあると聞いています。こうした問題を踏まえ、一時、国の方でも、地方自治法の改正の議論があったようであり、今後、関係規定の整備が必要と考えます。
 区としても、非常勤職員への一時金支給に関し、地方自治法の改正を行うよう、国に対し要請すべきと考えますが、区の見解をお聞かせ下さい。(5)
以上で壇上からの質問を終わります。
(再質問)
荒川区の西川太一郎区長は「非常勤職員は補助的な役割」という一般的な意識を変え、職務意欲を高めるために常勤職員との格差の解消を目指したとのことです。
保坂区長は、臨時、非常勤等職員の雇用安定、処遇改善のためどのように取り組んで行くのか?
先行する荒川区は、「主任非常勤」や「総括非常勤」の区分を設けて、賃金ランクを設けて賃上げを行なったり、研修や福利厚生、残業代なども認めています。このように国での法改正を待たずとも現状でなし得る対策はあるのではないかと考えますが、区長の見解を求めます。

任用根拠のうち特別職非常勤(地公法3条3項3号)の比率が30%と高いのは不自然です。実態は学童指導員や図書館職員、一般事務員などであり、臨時又は非常勤の職ではなく恒常的な職についていることであり、脱法行為といわざるを得ません。
職員全体の3割を占める非常勤職員が「特別職」であるというのはおかしいのではないかと考えますが、見解を伺います。

そもそも業務執行体制への支障の懸念が指摘されます。比率30%前後の自治体でも職場単位では、構成が過半数になっている場合もあり、職場内のチームワークや36協定締結の困難さも懸念されます。
業務内容が正規職員と同様の業務を遂行していることからみても、同一価値労働同一賃金の原則に基づいた賃金の設定が求められます。しかし、給与が正規職員の3分の一ということになれば、ますます正規職員の削減による非正規職員へのおきかえにも歯止めがかからず、処遇も低下するという悪循環が続くことは否定できないと考えますが、区の見解を求めます。

世田谷区の「臨時・非常勤等職員」に占める世田谷区民の比率は71.8%(2570人中1846人)で、正規職員の40.1%と比べ、非常に高いです。またその中に占める女性の比率は、86.3%です。つまり世田谷区民の弱い立場の貧困な働き手を増やすことで、納税者や年金の担い手を減らしていくことは自治体にとってマイナスだと思いますし、女性の自立にも貢献しないと思いますが、この点についての考えも伺っておきます。

最後、意見と要望
住民の公務員批判や議会での人員削減と合理化の要求が、結果的に制度自体の改善ではなく、弱者である「臨時・非常勤等職員」の更なる待遇引き下げに繋がってしまう現実への反省も必要です。正規職員、非正規職員ともに陥っている悪循環を断ち切り、「同一価値労働同一賃金の原則」等に立ち返った、処遇の改善等の検討を重ねて要望をし、
質問を終わります。