2012年世田谷区議会第1回定例会あべ力也の一般質問


2012年第一回定例会一般質問
あべ力也
国の地方制度調査会は、大都市制度をテーマに議論が開始されました。今、大都市制度の再構築がわが国の存亡を左右するといっても過言ではありません。近年の周辺国における大都市制度は、中国を筆頭に、都市を中核とした特区制度や、韓国の都市再生、シンガポールのフリーポートと先進産業、知的頭脳集積など、大都市を中心とした取り組みにより、金融や経済ばかりではなく文化や産業、教育、医療、観光といったあらゆる分野の可能性を最大限に引き出す改革が行われています。迅速な制度改正とあいまって、人、物、お金、の全てを投入し、まさに国家の生き残りをかけて取り組んでいます。つまり国家の存亡は、牽引役としての大都市の成功にかかっていると言えます。
一方わが国における大都市および地方行政政策は、制度的補完体制を堅持しようとする旧体制派と変革を求める改革派とで、改革に向けた議論のテーブルにさえ着こうとしていません。政権交代に多くを期待し、日本の閉塞感の突破口にと思った国民の期待は大きく外れ、旧来の制度の中での、旧来的な議論、「決められない政治」を続けています。
こうした状況の中、大阪、名古屋をはじめとした「地方から国を変えようとする」動きは、国と地方のあり方や、大都市制度、地域主権や地方分権、ひいては道州制といった、なかなか進まない議論に風穴を開け、日本の国そのものを大きく動かすものと期待します。
23区の特別区を持つ東京は、都区制度という国内唯一の大都市制度を持つものの、都区間も、財政・人口格差の調整の不公平さの解消を区側が求めているのに対し、議会の議員数、職員数の肥大化による非効率といった問題解消のため統合・再編を都側が求めるなど課題が山積しており必ずしも十分な行政制度とはいえません。
現在の都道府県と政令市、基礎的自治体との問題解決に当たっては、そもそも地方のことを地方が決める場と権限がないこと、また対策が対処療法的なものがほとんどで、結果、権限や財源の縄張り争いにより、制度が複雑怪奇であったり、二重構造になっています。非効率の元を作り出しているのが、行政側そのものといえます。
広域行政の一元化と身近な地域行政単位間における、広域事務の範囲の定義や財源の配分あり方をしっかり決め、制度的にわかりやすい簡素化を徹底することが大切です。
また、大都市が、現状の政令市の枠を超え、都道府県から独立した行政体となることを可能にする新制度の創設も考えられます。横浜市、さいたま市など7政令市は、まさに、府県から独立した、新しい行政運営主体として「特別自治市」を提案しています。
いずれにしても、そうした国と地方、都道府県、政令市、市区町村といった枠組みを根本から見直し、中央省庁からの視点、一極集中の集権国家体制の打破による、地方分権をさらに進めた「地方主権」を実現しなければなりません。
今般、東京都から市部には、用途指定の権限や都市計画決定の権限が委譲されますが、23区については、東京都に依然留保されるとのことですが、区への委譲を強く主張することを要望しておきます。

そこで何点か質問して参ります。
今般の大阪や名古屋の動きに象徴されるのは、地方からの強力な主張が、国を動かす可能性を示したということです。区長は先の東京新聞のアンケートに答えて、都区制度を変えるべきだとしています。また、他会派の質問に答えて、権限と財源の委譲に向けた、区長会でのコンセンサスをとって行きたいという回答でありましたが、住民の利益のためにも、旧来の制度で、旧来の議論を繰り返すばかりではなく、現在の制度そのものを大胆に変えて行く提案と情報発信も必要ではないかと思いますが、ご所見を伺いたいと思います。

世田谷区は、大場区政のときに、政令市を目指したことがありますが、なぜ実現できなかったのか。また、世田谷区は鳥取県や島根県などよりも人口規模が大きいことから、都道府県から独立した「特別自治市」を目指すことも考えられますが、見解を伺います。

区長が言われるように、全てを行政が行なうには限界があり、東京23区というきわめて人口密度が高く、交通網や情報網が発達した都市部だからこそ、既存の行政区域内に、全ての機能や施設を整備しようとする、「フルセット主義」から脱却が可能なのではないか?と思いますが見解を伺います。

分権は、国、都、区の問題だけではありません。区内でも、区から地域への分権を推進すべきです。つまり自治会や町会、地域活動団体に地域のことを託すことによって、新しい地域社会を再生すべきです。その装置として、全ての町会自治会をNPO法人へと移行をして、区の事業を分かち持つパートナーとしての受け皿にできないでしょうか?真のパートナーシップ実現に向けての見解を伺います。また、現状でも区内の197団体のうち18団体が法人格をもっていますが、これはどのような理由で取得したのか伺います。

区長は就任以来、「情報公開」と「区民参加」を強調してきていますが、今般の予算編成におけるその過程の情報公開においては、不透明な所があるのは否めません。目黒区は、財政難の中での苦肉の策で予算編成過程の開示に踏み切ったとのことですが、可能ならば世田谷も実施すべきです。見解を伺います。

さて、行政コストの検証は常に必要です。特に人件費の占める割合が非常に高い訳ですから、注視して行かなければなりません。
大阪市は職員の能力給制度導入を決定しました。これは人件費の抑制ということではなく、職員の絶対評価と相対評価の組み合わせにより、より的確で簡素化された人事考課と、各級ごとの評価の幅を広げ、職員のやる気に応える制度と評価するものですが、世田谷区として導入を検討すべきだと思いますがご所見を伺います。
また、一般職員以上の付加給与の支給のある職員ならびに管理職の占める割合についてお聞かせ下さい。

特別職に関しては、区財政に連動した報酬へ転換すべきです。区財政が悪化すれば、区民サービスをカットしたり、受益者負担を理由に負担料の増額を強いるのであれば、区の経営に関し責任と決定権、承認権のある特別職の報酬にはなんら影響がないというのでは、区民感情からして理解を得られないのではないでしょうか?見解を伺います。

2、議会内役職加算報酬廃止について
「区民感情からみて、これまでの議長の報酬額はいかがなものかと思っていた」これは議長報酬を月額85万9千円に引き下げの改訂を決定した、杉並区の議長の弁です。一方、これに比べて現在の世田谷区の議長報酬は月額6万8千円高い92万7千円です。
政調費を含む区議の年間報酬は約1300万円ですが、これに年間の役職による報酬加算として およそでありますが議長500万円、副議長300万円、監査委員200万円、委員長80万円、副委員長50万円等があります。委員長や副委員長に関しては、委員長報告の作成から、区議会だよりの原稿の作成、閉会中の調査実施など本来はそれなりに重い責任があり、それに伴う打ち合わせなどを行なわなければなりません。しかし、現状は、ほとんど全てが議会事務局に丸投げで、出席日数等も一般の議員とほとんど変わりはありません。これらの役職報酬加算は、大阪や兵庫、愛知などでは大多数の議会で廃止をしたか、もともと無いというのが実態で、こうした改革は西高東低と言われています。世田谷区も廃止すべきです!
そこで、算定に当たっての明確な合理的根拠や算定方法は何か?お聞かせ下さい。
また、加算報酬廃止に向けた手続きはどのように行なうのか。伺います。

報酬審議会では、議事録を見る限り、こうした加算報酬に関する議論がされていません。議論もせずに答申を出し、それを受け入れているのは問題があるのではないでしょうか。区の見解をお聞かせ下さい。
 また、1年間の役職加算報酬の総額は、およそ1900万円にもなりますが、この役職加算報酬について、諮問しないのはなぜか伺います。
さらには、区長は、「情報公開」と「住民参加」を標榜されており、報酬審議会の諮問にあたっては、議題を区民から公募してもよいのではないかと考えますが、区長の見解を伺います。