平成28年3月29日 第1回定例会 予算原案への賛成討論
(保育待機児童・庁舎の建てかえ問題・地域包括ケア・特養・障害者福祉・給付型奨学金の創設)


平成28年3月29日、第1回定例会 予算原案への賛成討論

 我が国の抱える基本的な問題点は、急速に進展する少子・高齢化による社会保障費の際限なき拡大と財政危機、人口減少に伴う生産労働人口の減少による労働力不足と消費の減少、改革を拒む既得権層とそれを支える選挙制度、雇用における正規・非正規、男女、公務員と民間、大企業と中小企業の格差問題、さらには大都市と地方の格差など枚挙にいとまはありません。こうした問題を経済の再生により改革、解決をしていこうというアベノミクスの評価については、まだ答えを出せる時期ではありませんが、三兆三千二百十三億円の補正予算に続き、過去最高となった平成二十八年度予算は九十六兆七千億円と巨額の財政支出に支えられており、公債への依存度は下がったものの、それでも歳入の三六%にも及び、アベノミクスの出口戦略、財政再建にはほど遠い実態です。

 世田谷区は、こうした国の金融政策と財政政策に起因するいつまで持続できるか極めて不透明な現在の好調、幸運な税収増に浮かれて、特別職や区職員の公費海外出張など、いささか疑問の残る出費を正当化して大盤振る舞いしている場合ではありません。今後拡大する行財政需要にいかに備えるか、実効性の高い施策を構築するとともに、財政対応力の強化と堅持により、区民福祉の一層の向上に向け、山積する諸課題に気を引き締めて積極果敢に取り組んでいただきたいと思います。

保育待機児童

 最重要課題である保育待機児童数は依然全国ワーストワンで、区長が選挙公約に掲げた保育定員二万人の確保もいまだ達成されていません。待機児童解消に向けた取り組みを加速させるとともに、入園選考に当たり、生まれた月日によって選考を受ける権利さえ阻害され、差別的な扱いを受ける子どもたちをなくす政策を望みます。また、自治体の自助努力では限界もあります。国に対して保育待機児ゼロに向け、幼児教育、保育の義務化を求めていくべきです。今、国も決断しなければ、人口一億人の維持や希望出生率一・八%の達成は絵そらごとではないでしょうか。

庁舎の建てかえ問題

 次の課題は、庁舎の建てかえ問題です。区民を初め、庁舎にかかわる全てのステークホルダーの意見が反映できるよう、今後の計画の推進に当たり、以下の点を要望いたします。庁舎分散化の解消、先行自治体を参考にした実質財政支出によらない計画の検討、保育園や高齢者施設、障害者施設の併設といった公共施設整備方針に沿った複合化の推進、免震構造による災害への強化などです。また、区民会館に関しましては、百万人都市にふさわしい規模と設備の検討、現在の場所にこだわらない用地の検討、特に旧都立玉川高校跡地への検討を望みます。

地域包括ケア

 次は地域包括ケアですが、厚労省が進める高齢者の地域包括ケアシステムは在宅が基本です。地域コミュニティーや核家族のつながりが希薄となる中、老老介護もふえており、政府の掲げる一億総活躍社会とはある意味矛盾しますが、どう地域や家庭を再構築して運用していくのかも課題であります。

特養

 次は特養についてです。世田谷区は、国有地等の活用による二〇二五年までの特別養護老人ホーム整備目標千人分の実現にめどが立ってきているとのことですが、それ以降もさらにふえ続けると予想される高齢者、中でもひとり暮らし世帯の入居希望に応えるため、杉並区方式を参考にCCRCの検討とともに、区外での整備、特に縁組協定をしている川場村への整備スキームの検討を求めます。

障害者福祉

 次は障害者福祉です。ことし四月一日から障害を理由とする差別解消法が雇用現場での改正雇用促進法とともに施行されます。この法律は、本人がどのようなことを差別と感じ、どんな配慮を望んでいるかという部分がとても大切です。それぞれの現場で、あるいは障害施策推進課を初めとした相談機関でのきめ細やかな対応が求められます。それには職員一人一人が差別解消法の理念実現に向け、しっかりとした取り組みを進める意識改革とスキルが必要です。

給付型奨学金の創設

 最後に、給付型奨学金の創設については、全国自治体に先駆けた取り組みとして評価をいたします。いずれにいたしましても、ふるさと納税制度をガバメントクラウドファンディングとして解決をするスキームの確立を求め、無所属・減税せたがや無所属連合の予算原案に賛成をする討論といたします。