平成29年第2回定例会一般質問
(ふるさと納税赤字の収支改善を・国の安全保障と自治体の責務について・入札改革並びに口きき記録と二親等規定について・インフォメーションセンターについて)


平成29年6月14日、第2回定例会にて一般質問を行いました。

主な質問項目

  • ふるさと納税赤字の収支改善を
  • 国の安全保障と自治体の責務について
  • 入札改革並びに口きき記録と二親等規定について
  • インフォメーションセンターについて

詳細は以下をご覧ください。

ふるさと納税赤字の収支改善を

 六月五日、ふるさと納税に係る関係団体との意見交換会を開催したと聞きますが、なぜ区長、あなたの政策決定前にこうした会を開くことができなかったのですか、お答えください。

 また、今回どのような意見が出されたのでしょうか。私が区長と毎度話がかみ合わないのは、私は財政面からふるさと納税の収支に注目しているのに対し、区長は寄附文化醸成という視点なので、ベクトルが全く違うのでありましょう。

 改めて聞きますが、あなたの持論はさておき、収支の視点からどのように改善するのかを何度も何度も聞いているのですが、明確な回答が得られておりません。収支改善に向けてどのような対策を講じるのですか。返礼品を記念品と言いかえたり、返礼品競争には加わらないとするあなたの詭弁に、区民として付き合わされるのはこりごりです。

 それと、やるような回答をしていたクラウドファンディングのメニューや、「世田谷みやげ」、たまがわ花火大会鑑賞、キャロットタワーレストランの利用券など、体験型のあなたの言う記念品はどうしたのでしょうか。世田谷で保坂区長が足踏みしている間に、広島県神石高原町は犬殺処分ゼロのクラウドファンディングで十億円を目標に寄附を募り、既に四億三千百万円の寄附を獲得しています。

 前回の質問で目標額を聞きましたが、設定できないという耳を疑う回答でした。改めてお聞きしますが、区長の政策によるふるさと納税制度の寄附獲得目標額は幾らですか。

 いずれにしても、来年の同時期に、あなたの対策の結果が数字となって出ます。つまり、ふるさと納税収支が少なくともバランスするぐらいに改善できなければ、あなたの政策の失敗だという結論が出るわけです。そのときを大変注目しておりますが、そうなれば責任をとっていただきたいと思います。どのように責任をとるつもりですか、しっかりとお答えください。

 約二千五百万円の退職金返上では追いつきませんが、当然返上ということでしょうか。また、区長の方針に追随する職員の責任も問われるべきです。民間ならば、トップの判断ミスで会社の業績が悪化したならば、当然社員のボーナスや給与のベースアップに影響しますし、株主代表訴訟による経営者の責任追及も、昨今は盛んに行われるようになっています。

 一方、地方公共団体でも、政策決定した首長への住民訴訟による損害賠償請求も可能です。また、現行の地方自治法では、自治体の財政状況によって職員の給与やボーナスの削減も可能です。現に財政が厳しかった目黒区では、管理職の給与削減を実施しています。区長の政策失敗などによる財政逼迫時の職員給与等の削減について、世田谷区の見解を求めておきます。

 さらに、区民の他自治体への多額の寄附は、役所の税収の問題だけでは片づけられない問題です。世田谷区内での経済効果を考えれば、百二十三億円の一・八倍、約二百二十一億円の損失に当たり、のんきなことは言っていられないはずです。税収の面でも約三千億円の一般会計のうち八割は使い道が決まっているわけですから、その他の二割、つまり六百億円の自由に使える予算が縮小するという極めてゆゆしき話です。

 区長が私たち区議会議員の提案に耳をかさず、何もしなかった二年間で流出した寄附金百二十三億円は、この六百億円の二割にも達します。この窮地を乗り切っていくためには行政改革も必要です。

 ところが、保坂区政六年間で事業を見直しスクラップしたのは小規模な十六事業、約三億三千万にすぎません。区単独の新規事業に費やした予算は十一事業、六十一億二千六百万円です。まさに折からの税収増に任せた放漫経営と言えます。

 今後の行財政改革の取り組みを要望いたしますが、現在、外部評価もありません。行政や区長の自己評価では全く当てになりません。独立した第三者による外部評価制度を再実施すべきと考えますが、区長の見解を求めます。

<保坂 区長>

 あべ議員にお答えをいたします。通告順に順次お答えをしていきます。

 まず、第三者による外部評価制度の再実施についてです。

 この間の行政経営改革は、平成二十二年度の政策検証委員会の提言などを踏まえながら、職員みずからが事業の見直しを行い、事業の縮減や税外収入の確保、そして手法の転換による経費抑制などによって、二十四年から二十八年度に累計百二十億円を積み上げ、区の財政運営に寄与してきたものと考えています。

 外部による事業仕分け的な手法によって事業を縮小、廃止するという視点ではなくて、複雑化する行政需要に的確に対応していくために、従来の手法にとらわれない事業手法の改革や、区民、NPO、事業者などが主体的に公共サービスに参加をしていただく参加と協働によって、将来に向けた行政需要をカバーしていく仕組みが必要であると考えています。

 二十八年度に外部評価委員会からは、従来の実績評価に加え、政策の実施過程での成功要因を参加と協働など三つの評価軸で評価する、プロセスを重視した評価をせよと提言もいただいております。この外部評価委員会からの提言を評価、改善の仕組みに反映させるとともに、新たな公会計制度も活用し、三十年度から新実施計画の推進と行政経営改革に取り組んでまいります。

 次に、ふるさと納税に関連をした御質問です。

 区ではことし二月、庁内に設置したふるさと納税等対策本部を通した取り組みを進めていくため、六月五日に区内の税務団体及び産業団体など十九団体、計二十八名の御参加をいただき、ふるさと納税に係る意見交換会を開催いたしました。とりわけ法人会、青色申告会など税務団体、税理士会、税に関する知見、かかわりの深い団体の意見聴取は大切であると判断し、御参加をいただきました。

 そこの場では、ふるさと納税による区への影響や課題について、区民に対してより明快に丁寧に説明していくべきであるとの意見や、記念品に関しては、区内生産品の積極的な活用や、地域活性化につながる体験型メニューの導入、さらには記念品の価格設定のあり方など、さまざまな御意見がありました。

 その一方、世田谷区の寄附をPRしていく上で重要なのは品物ではなく、むしろ返礼品などがなくても寄附をしていただくスタンスで取り組むべき、あるいは寄附をどのように生かしたかをいただいた後に知らせることが重要という御意見もいただいております。

 区といたしましては、これまでの議会の御議論も踏まえ、四月から記念品の贈呈を開始しています。引き続きたまがわ花火大会などの世田谷の魅力を高める体験型記念品の導入に向けた準備を進めるとともに、具体的な目標を示したクラウドファンディングの導入に向けて準備を進めているところでございます。

 また、今回の意見交換会でいただいた御意見も踏まえ、ふるさと納税による区への影響や今後の区の取り組み、世田谷区民も世田谷区にふるさと納税ができるということについて、一例ですが、ふるさと納税を世田谷区へというようなキャンペーンを通して積極的にお知らせしたいと考えております。

 そして、収支の改善、あるいはその退職金について御質問がありました。責任をどうとるのかというお話でございます。

 影響額が十六億五千万、三十億と大きくなっていることについて重大な危機感を持っています。何もしていない、手をこまねいていたというお話ですが、私といたしましては、あべ議員のお話にも十分耳を傾け、ふるさとチョイスへの登録等具体的に反映させた部分もあるかと思います。

 また、特別区長会役員会で、ふるさと納税の現状はもう放置できない、国への意見を出すべきであるという議論をことし初めからリードし、何回かの議論の後、総務大臣要望へとつなげました。総務省の今回の見直しで、返礼品枠が三割まで、また、電化製品、パソコン、カメラなど換金性の高い返礼品は控えるべきとルール変更がなされました。さらに、住民税所得割を一〇%から二〇%に引き上げた平成二十七年税制改革自体をもとに戻すべく、しっかりとふるさと納税のゆがみを正す、この行為をしっかりやっていくことが私の責任だと考えております。

 寄附金の目標額について質問がございました。

 昨年度における区の寄附実績は、地域保健福祉等推進基金への遺贈も含め、総額で一億円を超えました。中でも児童養護施設退所者等奨学基金につきましては、昨年の基金創設以来、着実に寄附が集まっており、ことしに入ってから総額で三千万円を超えております。

 また、今年度に入って、区の評価額で申し上げますが、奥沢中学校の用地約十九億四千五百万円相当の負担つき遺贈、これは碑を建てるということを条件にということですが、受けております。こうした寄附は、個人を初め、法人や団体等の地域に暮らしていらっしゃる皆様の善意によるものであり、寄附全般の目標額を掲げることについてはなじまないものと考えております。

 今後とも、皆様による寄附文化の輪を広げていくため、取り組みを一層強化していきたいと思っております。

<岡田 総務部長>

 私からは、二点について御答弁申し上げます。

 まず一点目、ふるさと納税に関連しまして、財政状況による職員の給与削減について御答弁申し上げます。

 地方公務員の給与に関しましては、地方公務員法により、第三者機関である人事委員会が地方公共団体の議会及び区長に勧告を行うことができるものとされており、区は任命権者としてこれを尊重した上で、条例で給与を定めることとされております。

 また、特別区職員の基本的な任用及び給与等に関する事項につきましては、二十三区共通事項として、労使間協議に基づきまして統一交渉で行われており、そこでの決定事項についても、区は誠意を持って実施することが求められる立場でもございます。

 他自治体で財政事情等を理由とした職員給与の削減を行った例はございますが、区独自で給与決定を行うことにつきましては、こうした法制度を踏まえますと、相当に慎重な対応が必要となる事柄であると考えております。また、人事委員会の勧告によらず削減する場合でも、労使協議を経た上で条例改正を行い、改定を行うという手続を踏む必要がございます。

国の安全保障と自治体の責務について

 国の安全保障と自治体の責務という観点から質問いたしますが、北朝鮮のミサイル発射と我が国の排他的経済水域への着弾といった、刻一刻と状況の悪化が伝えられる中、四月二十八日、ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動について、内閣参事官と消防庁国民保護運用室長からの発信文書が、都を通じて世田谷区危機管理室並びに教育委員会に届いたとのことですが、教育委員会が即刻全小学校にプリント配付したのに対し、区長の対応は極めて鈍感であります。教育委員会と区長サイドの認識にそごがあるのでは困りますが、まず、この教育委員会の対応を区長は了解していたのですか、伺います。

 既に区長の記者会見はその後二度行われていますが、北朝鮮のミサイルに関して、国から送付された内容等についての報告も、また、区長から区民に向けたアナウンスメントもありません。まさに区民の生命や財産にかかわる問題を後回しにし、軽んじる区長に、区民参加や情報公開などを口にしてほしくはありません。なぜいまだに区長からこの問題に関し区民に説明がないのでしょうか、御説明ください。

 ホームページに記載したなどというのはアリバイにしか聞こえません。この際、区長に他国から攻撃を受けるといった有事における日米安全保障条約や集団的自衛権といった視点から、国の安全保障に対する考え方と自治体の責務について考えを伺っておきたいと思います。

<保坂 区長>

 安全保障、北朝鮮のミサイル発射に関連しての御質問がございました。

 さまざまな危機の事態から、区民の生命、身体及び財産を守ることは、区の重要な役割であり、いざというときの事前の準備や、万が一不測の事態が発生した際に迅速かつ的確に対応して、被害の最小化に努めていくことが必要であると認識をしています。

 このような基本的な考えから、今回は庁内の情報伝達、共有に課題があったと認識しており、私への情報の伝達と共有も確実に行うために、改めて全庁的に危機管理に関する情報連絡体制について確認をするよう指示いたしました。

 現在、危機管理室において国からの通知を受けて、区ホームページへの掲載やツイッターの発信といった区民への情報提供を行っております。国、都、報道機関からの情報収集に努め、状況に応じた情報を庁内で共有するとともに、適時、正確で適切な対応をしてまいりたいと思います。

 次に、じゃ、安全保障について考え方はという問いでございました。

 国連安保理事会がこの六月、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の行為を強く非難、制裁対象を拡大する内容の決議を全会一致で採択しました。今回の決議では、制裁に慎重な姿勢を示してきた中国やロシアも賛成しており、挑発行動を食いとめるために、さらなる国際的な連携を強めていくべきであるというふうに考えています。

 政府は、昨年三月に施行された安保関連法制に基づき米韓防護任務を実施しており、有事の事態では武器の使用も想定されます。名実ともに日米の軍事的な一体化が進んでいて、武力衝突等不測の事態を懸念するところでございます。

 一方で、唯一の被爆国である日本としましては、さらなる核実験や弾道ミサイル発射等の挑発行動を北朝鮮に対して行わないように強く求めるとともに、核なき世界の実現に向けて、核保有国と非核保有国の橋渡しとして国際的な責務を果たしていく役割があると考えています。

 私は、いかなる事態になっても、九十万区民の安全を守る立場から責任を持って行動します。万が一の緊急事態となったときには、国、都及び警察、消防、自衛隊など関係機関と十分連携しながら、区の組織体制の整備の充実を図ってまいります。

 以上です。

入札改革並びに口きき記録と二親等規定について

 入札改革並びに口きき記録と二親等規定という視点からお伺いをいたします。

 総務省は昨年十月に、公共工事の円滑な施工確保についてという文書を各自治体宛てに出して、適正な価格による契約について要請しています。この要請については、世田谷区はいずれも対応済みとのことですが、区の入札制度における課題と今後の取り組みについて見解を求めます。

 また、以前にも質問と要望をしておりますが、都が既に実施している口きき記録に関しての検討状況と実施に向けた取り組みを伺います。

 また、他の自治体では、特別職の公務員の二親等以内の親族が区発注の事業を請け負う契約などを受注できない、いわゆる二重就業における二親等規定を設けているところが大半ですが、世田谷区にはいまだに規定されていません。早期に制定するよう求めるものですが、区の見解を求めておきます。

<岡田 総務部長>

 次に、口きき記録制度の検討状況と二親等規定について御答弁申し上げます。

 いわゆる口きき記録制度は、職員に対する外部関係者からの働きかけを記録することで、不当な働きかけが不適切な行政の対応につながるようなことを抑止する効果を狙った制度として、他自治体で導入されている例がございます。

 先例自治体においては、一定の効果があるとの評価がある一方、制度の形骸化などの課題についての指摘もあるようです。現状におきましては、行政の透明性を失することのないよう、緊張感を持って取り組むとともに、今後とも国や東京都を初めとした他自治体の動向について注視しながら、引き続き制度を研究してまいります。

 また、御提案の二親等規定につきましては、他の自治体において、首長や議員の政治倫理基準を条例で定めており、その中で公正な契約を担保するため、首長や議員の二親等以内の親族が経営する会社には、その自治体との請負契約などを制限することを定めている例があるもの、このように理解してございます。

 区民に信頼される区政を推進するためには、さまざまな手法で行政運営の公正さを確保することが重要であると考えております。御提案を踏まえながら、他自治体の制度内容について研究してまいります。

 以上でございます。

<菊池 財務部長>

 私からは、区の入札制度における課題と今後の取り組みについてお答えいたします。

 昨年十月に総務省及び国土交通省より改善要請のありました項目につきましては、区では、例えばダンピング受注の排除を図るための低入札価格調査制度や最低制限価格制度を導入したほか、その算定式において国のモデルに従った適切な改定を行うなど、いずれも既に対応している状況にございます。

 一方、入札制度の課題としましては、昨年度、公契約適正化委員会より、長期的な区内産業の発展、活性化や、公正かつ適正な入札の実施、さらに社会経済状況等に適合した入札契約制度の改善、この三点について答申をいただいております。

 これらを受け、この四月より総合評価競争入札の落札者決定基準に、新たに優良工事実績点と区内本店への加点を追加するなど、事業者の施工能力をより適正に評価し、地域に貢献している事業者をより高く評価できるよう変更いたしました。

 さらに、設計、積算の検証につきましては、営繕所管において、今年度中の施行実施に向けて取り組んでいるところでございます。

 今後ともよりよい入札制度に向けて適宜適切な見直しに取り組んでまいります。

 以上でございます。

インフォメーションセンターについて

 次に、インフォメーションセンターについてでありますが、本年の予算に千三百万円の予算が計上されています。どこにどういった機能を持ったインフォメーションセンターを設置するのか、要望している区観光協会がなかなか設置されない中、どこがイニシアチブをとって検討していくのかも大事な視点です。また、そこでの議論も区民参加と情報公開を徹底していただきたいと思います。区の今後の取り組みと見解を求めます。

 また、まちなか観光と表して、平成二十三年度から事業展開をしていますが、積算で幾らの予算を費やして、結果、現状何が成果となっているのでしょうか。通常、観光事業を推進している自治体は観光協会を設立していますが、世田谷はまちなか観光交流協会を組織しておりますが、通常の観光協会と世田谷区のまちなか観光交流協会との違いは何でしょうか。なぜストレートに観光協会を設置できないのですか、改めて伺っておきます。

<久末 産業政策部長>

 私からは、インフォメーションセンターについて三点御質問がございました。

 まず初めに、インフォメーションセンターに対する区の取り組みについて御答弁申し上げます。

 多くの観光客に世田谷の魅力を発信し、快適な町歩きを楽しんでいただくために、インフォメーションセンターが果たす役割は非常に大きいものと認識しており、区では観光案内所の整備に向け検討を進めております。

 整備に当たりましては、三軒茶屋、下北沢、二子玉川等、商業施設や文化施設等が集積し、都心から区内へ誘客する交通の拠点となる場所を軸に検討を進めているところです。

 運営面は、昨年十二月に設立いたしました世田谷まちなか観光交流協会が主体となり、まち歩きコースの御紹介や観光情報冊子の配布、観光アプリのPR等、世田谷の多彩な魅力を広く発信する情報発信の場として設置してまいります。

 区民の参加に関しましては、さまざまな団体が参加しているまちなか観光交流協会内での意見交換会の実施や、世田谷まちなか観光メッセにおいて実施する区民と来場者へのアンケート等を通じて、区民の意見を案内所の整備に反映してまいります。また、整備の進捗状況等につきましては、必要に応じて、議会のほうにも情報提供をしてまいります。

 次に、平成二十三年からの事業に対する経費と成果についてお答えいたします。

 世田谷のまちなか観光は、平成二十三年度の世田谷まちなか研究会の発足を機に具体的な取り組みが始まりました。研究会において区内の観光資源の発見や磨き上げについて意見交換を行いながら、まちなか観光にかかわるさまざまな団体が連携した事業実施を行ってまいりました。

 この間、世田谷まちなか観光協議会、さらには世田谷まちなか観光交流協会への組織強化を図りながら、観光情報冊子の発行や、観光アプリの開発、運用といった情報発信ツールの拡充、まちなか観光メッセを初めとする観光イベントの開催など、連携によるさまざまな事業展開に取り組んできており、平成二十三年度から二十八年度までの事業費は約三千百万円となっております。

 こうした取り組みにより、区内の多彩な魅力をつなぐまちなか観光という世田谷が目指す観光の姿が明確になったほか、さまざまな事業者や団体による連携事業を促進することができたと認識しております。

 最後に、観光協会と交流協会の違い、なぜ区は観光協会をつくらないのかという御質問に対する御答弁です。

 世田谷区は、一般的な観光地とは異なり、豊かな自然や史跡、文化施設や商店街などの地域の魅力を再発見し、ネットワークとしてつないでいく、住んでよし、訪れてよしのまちなか観光を進めてまいりました。こうした観光を進めていくためには、身近な資源を最大限に活用しながら、区民との交流を促進する観光事業を展開していく必要があると考えております。

 昨年十二月に設立した世田谷まちなか観光交流協会は、産業団体を初め、鉄道・バス事業者や、大学、町会・自治会、NPOなどが参画し、相互に連携して、地域の魅力の再発見や交流の促進に向けた取り組みを推進しており、こうした点が、いわゆる観光地を持つ観光協会との違いとなっていると認識しております。

 今後もこのようなことから、観光交流協会という形により、協会会員相互の連携を促進し、世田谷の特性を生かした魅力ある観光事業を展開することで、観光客を呼び込み、区内消費をふやし、経済波及効果をもたらすことができるよう取り組んでまいります。

 以上でございます。

再質問

 それでは、区長に何点か再質問をしますけれども、最近の明るい話題で、上野のパンダに子どもが生まれたということですが、これは経済効果はどれぐらいだって試算されていると思いますか、区長は。これは二百六十七億円ということです。

 一方、区長の政策決定によるふるさと納税の経済効果は幾らだとお思いでしょうか。これはマイナス二百二十一億円の経済効果です。大変大きな数字です。ですから、どう責任をとるんですかと聞いておりますけれども、答弁がございません。今、総理大臣でも、もしそうならやめるぐらいの答弁を国会ではしているわけでありますけれども、区長は国会で自称質問王だったそうですけれども、政府の答弁が区長の答弁のようだったら、よしとしたんでしょうか。

 改めて聞きますけれども、赤字が減らなかったらどう責任をとるんですか。また、なじまないとかなじむとかという問題ではなくて、財政改善のために、寄附額の目標はどのように設定をするつもりなんでしょうか。

 また、意見交換会のほうでもなぜ早く開かなかったという意見があったようですけれども、これについても区長は答弁をしていませんので、回答をいただきたいと思います。

<保坂 区長>

 再質問にお答えをいたします。

 まず、パンダの出産は大変おめでたいなと思っております。経済効果も大変あるものと思います。

 あべ議員のおっしゃるマイナス二百二十一億円というのは、独自の、あべ議員の手法による計算だと思います。まず、私が勝手に何か全部決めているようにおっしゃっているんですが、これは私の勝手な方針ではなくて、もともとふるさと納税に対してどうするんだということに対して、世田谷区は寄附型でいこうというのは、これは担当所管部、また庁内で議論をしてきました。御報告しているように、ふるさと納税等対策本部も設置しています。こうした中で意思決定してきているということを、まず押さえていただきたいと思います。

 問題はそのふるさと納税のゆがみですね。おっしゃる二百二十一億円は、私はそのとおりだと思わないですけれども、区に大きな影響を与えていることは、その税収減という意味では、これは動かしがたい事実です。

 ここまで大きく広がったというのは、先ほどちょっと申し上げた、平成二十七年の税制改正で所得割の一〇%から二〇%ということで引き上げがあったということが大きいと思っています。したがって、世田谷区、一番ふるさと納税の減収の影響額は大きいんですね。横浜市が金額は大きいですけれども、四分の三は地方交付税で措置、補填を受けますので、純減という意味では、世田谷区が日本で一番大きな自治体と現在なっています。

 そういった区であるということも受けとめて、何としてもふるさと納税のゆがみを正すというのは、私の責任のとり方、役割だというふうに考えておりまして、昨年、平成二十八年、全国の住民税で控除された総額は一千一億円です。今年度、世田谷区は二倍になっているということでいえば、全国の住民税控除額は二千億円に近づいていくということさえ考えられますよね。実際は出てみないとわかりませんけれども、しかし、膨らむのは間違いない。

 さらに膨らむ可能性があるわけですね。ふるさと納税できる人が全てやるというようなことになれば、これは三千億、四千億と、全国の住民税控除額、そこに四分の三は国税を入れているわけです。こんな制度がどれだけ持続しますかと。こんな制度が本当に税制として正しいんですかと。

 私は、ふるさと納税自体は、ふるさとに寄附するとか被災地に寄附する、いいと思います。それはあくまで節度を持って、自治体間の通販と言われるまでになったこのふるさと納税バブルの状況はぜひ抑制をしてもらいたい。そのことを国に対して強くこれから求めていくことを私の責任といたします。ですから、全然向いている方向が違うわけです。

 もう一つは、目標額についても、先ほど遺贈の話をいたしました。遺贈というのは亡くなってからということですので、そういう例もあるということで御紹介しましたけれども、あくまでも寄附については今よりふやしていくということで、ふるさと納税で失っていく税収減、これは世田谷区民に対して初めて、例えば保育園とか、学校とか、高齢者福祉だとか、あるいはごみの収集だとか、区民税で行われていることというのは数多いわけです。そのことについての影響が、このままだと出てくるおそれが大きいわけです。そのことについて、世田谷区民に対して、ふるさと納税をみずからの区にすることで、まさに住民税の本来の部分を大きく毀損しないというキャンペーンを続けていきたいというふうに思います。

 意見交換会については、お一人の方がもっと早くやるべきではなかったかということをおっしゃいました。いろんな意見が出ましたけれども、これだけふるさと納税が広がっているので、記念品と言わずに、おっしゃるような返礼品でしょうか、そういったもの、グッズを並べてはどうかという意見も出ました。一方で、寄附文化醸成ということで、ちゃんとここは頑張って、世田谷区からふるさと納税を転換していくべきだという意見も出ました。

 以上です。