平成27年3月 予算特別委員会(火葬場について)


火葬場について

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>

 次に、火葬場について伺います。
 他会派から、今議会でも質問が出ていましたが、火葬場問題は二十六年前からこの議会でも五十回以上、超党派で質問が重ねられ、私も今回、きょうで五回目の質問となります。世田谷区内に火葬場が必要だということは、これは自動車の世田谷ナンバーとは違い、本当に世田谷区民みんなにとって必要な施設であるということを区としてはもっと真摯に受けとめるべきではないでしょうか。

 日常的にも火葬場が足りなくて、何日も待たされるような状況があり、また、首都直下地震が起きた際には、考えたくないですが、一度にたくさんの死者が出る可能性があります。東北大震災のときのように、火葬が間に合わないからまず土葬して、何カ月後かに腐り切ってしまった遺体を掘り返し火葬するなどという想像を絶するような悲惨で大変なことをしなくて済むように、区内に火葬場をつくっておくことが必要です。にもかかわらず、相変わらず臨海斎場の区民利用の向上を図るという答弁に終始しているのは一体どういうことでしょうか。災害時は臨海斎場など使えるはずがありません。

 その臨海斎場ですが、世田谷区のほか、大田区、品川区、目黒区、港区の広域連合で十年前につくられました。しかし、世田谷区は人口が一番多いにもかかわらず、利用している区民が非常に少ないと聞いています。まず、世田谷区民の利用状況について伺います。

<志賀 市民活動推進課長>
 臨海斎場の世田谷区民の利用状況でございますが、開設時の平成十六年度では、火葬利用件数合計四千四十六件のうち百八十九件と全体の四・七%でございました。平成二十五年度では、合計六千五百七十件のうち五百二件と七・二%までふえてまいりました。この十年間で約二・七倍になっております。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 十年間で約二・七倍にふえたといっても、全体の中のたった七・二%ですか。世田谷の人口からすると、大田区、品川区、目黒区、港区、世田谷区を合わせると、ここの広域連合は合計で約二百五十万人の人口を抱えているわけですね。世田谷区は約八十八万人ですから、三分の一以上を占める人口を持っているわけです。それにもかかわらず、十年たっても利用率一割にも満たないというのですから、臨海斎場の利用率を上げることよりも、区内につくるということに考えをシフトするべきだと思います。

 そこで、私どもの会派では、真剣に区内の場所を探しました。火葬場を建設する際の制約の一つとして、世田谷区墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例というのがあって、これは住宅地からおおむね二百五十メートル以上離れていなければならないとされています。住宅だらけの世田谷区において、この条件を満たす場所は砧公園しかないと、私どもの会派ではそのように考えました。

 昨年の予算委員会では、私は都市整備領域ですけれども、このことを取り上げ、提案いたしました。そのときに使った地図というのがこちらのパネルなんです。二百五十メートル住宅地から離れていると考えるとこれなんですけれども、これが二百五十メートル。このように、家があるところから二百五十メートル、二百五十メートルとやっていきますと、濃い緑の範囲が砧公園の敷地になりますけれども、このように住宅から二百五十メートルというと、砧公園の中心部のこれぐらいのエリアが二百五十メートルにかからないという範囲になるわけです。でも、この場所が砧公園にはあります。この地図をちょっと説明しますと、ここは小サッカー場です。こちらが世田谷美術館になります。世田谷清掃工場、市場、こういう大きさになっているんです。

 火葬場を所管するところでも、この世田谷区で今の条件を満たすところは砧公園しかないと認識されているでしょうか、それともほかに可能な場所があるとお考えですか、それはいかがでしょうか。

<志賀 市民活動推進課長>
 お話にありましたとおり、火葬場の設置場所は、住宅地からおおむね二百五十メートル以上離れていなければならないとされております。世田谷区内は既にほとんどの地域が高度に密集した市街地が形成されておりまして、建設適地を見出すことは困難でございますが、この規定のみを考えた場合、火葬場の規模にもよるとは思いますが、お話しのとおり、都立砧公園の中心部以外には見出せないものではないかと考えてございます。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 ですよね。であれば、砧公園で考えるしかないわけですよ。では、砧公園に火葬場を建設しようとした際に、具体的にさまざまな規制があると思うんですけれども、二百五十メートル以外にもあると思うんですけれども、その法的な規制とか要件を教えてください。

<志賀 市民活動推進課長>
 砧公園に火葬場を建設する際の法的な規制という意味では、まず、先ほどお話にもありました世田谷区墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例により、住宅地からおおむね二百五十メートル離れていなければならないということ、また、同条例第十一条には火葬場の構造設備基準の規定がございます。また、同条例施行令によりまして、火葬炉一基当たり五台以上の駐車場を設置すること、また、都市計画法により、火葬場を設置する場合は、原則として都市施設として定める必要があり、施設の種類、名称、位置及び区域を都市計画決定する必要があること、さらに建築基準法により建築物としての道路への接道義務、用途、建蔽率、容積率等の規制に適合する必要があること、さらに砧公園は都立公園でございますが、都市公園法が適用になりますので、火葬場は都市公園法により、公園としての目的に合致している公園施設に該当していないため、公園管理者でございます東京都において、火葬場の敷地を法令の手続に基づいて公園区域から外す必要があること、法的な規制としてはこのようなものが考えられると思います。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 今、六つの規制が読み上げられたと思うんですけれども、住宅等から二百五十メートル以上離れている、それは砧公園のこのエリア、中央部でクリアできると思うわけです。駐車場も、これはもちろん地下を前提として私たち会派は提案しているので、駐車場も地下にたくさんつくればいいです。都市計画決定も手続をすれば何とかなると思いますし、都市公園法も砧公園のほんの一部を公園区域から――しかも地下です――外せばいいことで、東京都にも都市計画決定を頼めばいいじゃないですか。

 確かに、おっしゃるように簡単なことではありません。大変なことだけれども、世田谷区が本気で取り組めば、この六つというのはクリアできるであろう要件だと考えます。では、これ以外にも何かあるでしょうか。

<志賀 市民活動推進課長>
 こういった今御説明いたしました法令の規制以外にも、砧公園は都有地でございますので、火葬場用地を東京都から買収あるいは賃貸借など、何らかの用地の手当てが当然に必要となります。また、何よりも近隣住民の御理解、御協力が必要不可欠と考えます。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 あとは東京都が売ったり貸したりしてくれるかどうかということで、これだって交渉事ですよ。そして、近隣住民の理解というのは、そこらじゅう住宅地の世田谷区で、今、所管もおっしゃったように可能性があるのはここだけということで、であれば近隣住民といっても、高速の近くであるとか、本当に住宅地のところからぎりぎりくっついているわけじゃないですよね。二百五十メートル以上離すという条件の中、しかも地下です。地下ということで、公園の機能を廃さないということで、手続上は公園機能は廃止しなければいけないかもしれないけれども、表面上は公園としての敷地はそのまま使えるということであれば、それはもういろんな施設が、それぞれ各所管で交渉して、住民の理解を得るような努力をしているわけですから、超党派で提案されている、ほとんど全ての党派で提案されているであろうこの施設に関しては、おおむね世田谷区民の皆さんの要望であるというふうに私は考えておりますので、交渉しなければいけないと思うわけですね。

 それでは次に、費用についてです。財政的な面でのことなんですが、建設費用はどのぐらいかかるでしょうか。

<志賀 市民活動推進課長>
 どれぐらいの規模の火葬場を建設するかによって費用は大きく変わってくると思いますが、都内では最も最近に建設されたのが臨海斎場でございますので、そこを例にとりますと、あそこは用地費で四十二億九千三百五十万円、建設費で四十九億二千七百五十万円、合計で九十二億二千百万円の経費がかかっております。ちなみに、臨海斎場は、地上施設で地上二階建て、建設時は火葬炉は八基でございました。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 五つの区で運営している臨海斎場と同じ規模をつくる必要はないと思うわけなんですが、世田谷でつくるなら半分かそれ以下でも十分だと思うんですけれども、火葬場の規模というのには何か規制がありますか。

<志賀 市民活動推進課長>
 世田谷区墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例によりますと、火葬炉は五基以上設置しなければならないという規定がございます。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 そうであれば、最低五基つくらなければいけないんだったら五基として、それでも臨海斎場は八基ですから、約半分強ぐらいの規模で九十二億円はかからないであろうと思われるわけですね。それから、火葬場の建設となると、財調とか補助金とか、何か財源の手当てというのがほかから出ないのかどうか、それはいかがでしょうか。

<志賀 市民活動推進課長>
 こちらも臨海斎場を例にとって恐縮でございますが、火葬場の建設事業というのは、先ほど申し上げましたとおり、都市計画事業になりますので、東京都の補助金――これは都市計画交付金と申しますが、その対象になると考えられます。それ以外、臨海斎場の場合は起債により資金を調達しております。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 東京都の交付金があるというお話でしたけれども、臨海斎場のときは、それはどのぐらい出ていますか。

<志賀 市民活動推進課長>
 臨海斎場の場合は、都市計画交付金は合計で十八億百三十一万六千円でございます。

<田中優子 委員 (同一会派議員:大庭正明議員・桃野よしふみ議員)>
 建設費の合計が約九十二億円で、そのうちの十八億ちょっとということは、大体二〇%というか、二割ぐらいの補助金が見込めるということですよね。また、世田谷区単独ではなくて、これは例えばですけれども、お隣の杉並区だとか、あるいは渋谷区や狛江市などにも声をかけて広域で運営すれば、世田谷区の負担というのはさらに減ると思うわけですね。

 仮に区民がたくさん使っている代々幡斎場なんですけれども、それを持ってきたらどのぐらいかというと、この砧公園ですね。先ほど言いました緑の濃いこの部分の敷地面積というのは三十九万一千二百六十二平方メートルあるわけです。代々幡斎場の敷地面積というのは九千二百四十平米で四百分の一なんですよ。幾ら地下であっても、公園のところに火葬場なんてと思うかもしれないけれども、火葬場がこんなにできるわけじゃなくて、これの四百分の一。つまり、この世田谷美術館がたしか一万九千平米なんですね。代々幡斎場の広さをもってして、あそこは十基あるんですよ。その広さをもってしても半分以下ですね。この敷地の半分以下ですよ。こんなものですね。わずかこれぐらいが地下で、表立っては目に見えなくて、火葬場がつくれるということなわけですよ。

 費用としてもさらに少なくなると思いますし、火葬場というのは昭和二十一年ごろから、国の通知により、民間では建てられないということになっていると聞きました。ですから、地方公共団体である自治体の責務だと私は思います。さまざま面倒な手続、交渉事があるとはいえ、トップの英断があればできないことではないんだなということが、私たちはわかったと思っています。来月、私たち議員の選挙のほかに、区長選もあるわけですが、火葬場建設にぜひ前向きで英断ができる候補が出るといいなと、これは希望的な観測なんですけれども、個人的には思っています。