世田谷区「ふるさと納税」の返礼検討と実施により他自治体への流出による税収の減少を防げ


平成29年6月14日 第2回定例会

 六月五日、ふるさと納税に係る関係団体との意見交換会を開催したと聞きますが、なぜ区長、あなたの政策決定前にこうした会を開くことができなかったのですか、お答えください。

 また、今回どのような意見が出されたのでしょうか。私が区長と毎度話がかみ合わないのは、私は財政面からふるさと納税の収支に注目しているのに対し、区長は寄附文化醸成という視点なので、ベクトルが全く違うのでありましょう。

 改めて聞きますが、あなたの持論はさておき、収支の視点からどのように改善するのかを何度も何度も聞いているのですが、明確な回答が得られておりません。収支改善に向けてどのような対策を講じるのですか。返礼品を記念品と言いかえたり、返礼品競争には加わらないとするあなたの詭弁に、区民として付き合わされるのはこりごりです。

 それと、やるような回答をしていたクラウドファンディングのメニューや、「世田谷みやげ」、たまがわ花火大会鑑賞、キャロットタワーレストランの利用券など、体験型のあなたの言う記念品はどうしたのでしょうか。世田谷で保坂区長が足踏みしている間に、広島県神石高原町は犬殺処分ゼロのクラウドファンディングで十億円を目標に寄附を募り、既に四億三千百万円の寄附を獲得しています。

 前回の質問で目標額を聞きましたが、設定できないという耳を疑う回答でした。改めてお聞きしますが、区長の政策によるふるさと納税制度の寄附獲得目標額は幾らですか。

 いずれにしても、来年の同時期に、あなたの対策の結果が数字となって出ます。つまり、ふるさと納税収支が少なくともバランスするぐらいに改善できなければ、あなたの政策の失敗だという結論が出るわけです。そのときを大変注目しておりますが、そうなれば責任をとっていただきたいと思います。どのように責任をとるつもりですか、しっかりとお答えください。

 約二千五百万円の退職金返上では追いつきませんが、当然返上ということでしょうか。また、区長の方針に追随する職員の責任も問われるべきです。民間ならば、トップの判断ミスで会社の業績が悪化したならば、当然社員のボーナスや給与のベースアップに影響しますし、株主代表訴訟による経営者の責任追及も、昨今は盛んに行われるようになっています。

 一方、地方公共団体でも、政策決定した首長への住民訴訟による損害賠償請求も可能です。また、現行の地方自治法では、自治体の財政状況によって職員の給与やボーナスの削減も可能です。現に財政が厳しかった目黒区では、管理職の給与削減を実施しています。区長の政策失敗などによる財政逼迫時の職員給与等の削減について、世田谷区の見解を求めておきます。

 さらに、区民の他自治体への多額の寄附は、役所の税収の問題だけでは片づけられない問題です。世田谷区内での経済効果を考えれば、百二十三億円の一・八倍、約二百二十一億円の損失に当たり、のんきなことは言っていられないはずです。税収の面でも約三千億円の一般会計のうち八割は使い道が決まっているわけですから、その他の二割、つまり六百億円の自由に使える予算が縮小するという極めてゆゆしき話です。

 区長が私たち区議会議員の提案に耳をかさず、何もしなかった二年間で流出した寄附金百二十三億円は、この六百億円の二割にも達します。この窮地を乗り切っていくためには行政改革も必要です。

 ところが、保坂区政六年間で事業を見直しスクラップしたのは小規模な十六事業、約三億三千万にすぎません。区単独の新規事業に費やした予算は十一事業、六十一億二千六百万円です。まさに折からの税収増に任せた放漫経営と言えます。

 今後の行財政改革の取り組みを要望いたしますが、現在、外部評価もありません。行政や区長の自己評価では全く当てになりません。独立した第三者による外部評価制度を再実施すべきと考えますが、区長の見解を求めます。

<保坂 区長>

 あべ議員にお答えをいたします。通告順に順次お答えをしていきます。

 まず、第三者による外部評価制度の再実施についてです。

 この間の行政経営改革は、平成二十二年度の政策検証委員会の提言などを踏まえながら、職員みずからが事業の見直しを行い、事業の縮減や税外収入の確保、そして手法の転換による経費抑制などによって、二十四年から二十八年度に累計百二十億円を積み上げ、区の財政運営に寄与してきたものと考えています。

 外部による事業仕分け的な手法によって事業を縮小、廃止するという視点ではなくて、複雑化する行政需要に的確に対応していくために、従来の手法にとらわれない事業手法の改革や、区民、NPO、事業者などが主体的に公共サービスに参加をしていただく参加と協働によって、将来に向けた行政需要をカバーしていく仕組みが必要であると考えています。

 二十八年度に外部評価委員会からは、従来の実績評価に加え、政策の実施過程での成功要因を参加と協働など三つの評価軸で評価する、プロセスを重視した評価をせよと提言もいただいております。この外部評価委員会からの提言を評価、改善の仕組みに反映させるとともに、新たな公会計制度も活用し、三十年度から新実施計画の推進と行政経営改革に取り組んでまいります。

 次に、ふるさと納税に関連をした御質問です。

 区ではことし二月、庁内に設置したふるさと納税等対策本部を通した取り組みを進めていくため、六月五日に区内の税務団体及び産業団体など十九団体、計二十八名の御参加をいただき、ふるさと納税に係る意見交換会を開催いたしました。とりわけ法人会、青色申告会など税務団体、税理士会、税に関する知見、かかわりの深い団体の意見聴取は大切であると判断し、御参加をいただきました。

 そこの場では、ふるさと納税による区への影響や課題について、区民に対してより明快に丁寧に説明していくべきであるとの意見や、記念品に関しては、区内生産品の積極的な活用や、地域活性化につながる体験型メニューの導入、さらには記念品の価格設定のあり方など、さまざまな御意見がありました。

 その一方、世田谷区の寄附をPRしていく上で重要なのは品物ではなく、むしろ返礼品などがなくても寄附をしていただくスタンスで取り組むべき、あるいは寄附をどのように生かしたかをいただいた後に知らせることが重要という御意見もいただいております。

 区といたしましては、これまでの議会の御議論も踏まえ、四月から記念品の贈呈を開始しています。引き続きたまがわ花火大会などの世田谷の魅力を高める体験型記念品の導入に向けた準備を進めるとともに、具体的な目標を示したクラウドファンディングの導入に向けて準備を進めているところでございます。

 また、今回の意見交換会でいただいた御意見も踏まえ、ふるさと納税による区への影響や今後の区の取り組み、世田谷区民も世田谷区にふるさと納税ができるということについて、一例ですが、ふるさと納税を世田谷区へというようなキャンペーンを通して積極的にお知らせしたいと考えております。

 そして、収支の改善、あるいはその退職金について御質問がありました。責任をどうとるのかというお話でございます。

 影響額が十六億五千万、三十億と大きくなっていることについて重大な危機感を持っています。何もしていない、手をこまねいていたというお話ですが、私といたしましては、あべ議員のお話にも十分耳を傾け、ふるさとチョイスへの登録等具体的に反映させた部分もあるかと思います。

 また、特別区長会役員会で、ふるさと納税の現状はもう放置できない、国への意見を出すべきであるという議論をことし初めからリードし、何回かの議論の後、総務大臣要望へとつなげました。総務省の今回の見直しで、返礼品枠が三割まで、また、電化製品、パソコン、カメラなど換金性の高い返礼品は控えるべきとルール変更がなされました。さらに、住民税所得割を一〇%から二〇%に引き上げた平成二十七年税制改革自体をもとに戻すべく、しっかりとふるさと納税のゆがみを正す、この行為をしっかりやっていくことが私の責任だと考えております。

 寄附金の目標額について質問がございました。

 昨年度における区の寄附実績は、地域保健福祉等推進基金への遺贈も含め、総額で一億円を超えました。中でも児童養護施設退所者等奨学基金につきましては、昨年の基金創設以来、着実に寄附が集まっており、ことしに入ってから総額で三千万円を超えております。

 また、今年度に入って、区の評価額で申し上げますが、奥沢中学校の用地約十九億四千五百万円相当の負担つき遺贈、これは碑を建てるということを条件にということですが、受けております。こうした寄附は、個人を初め、法人や団体等の地域に暮らしていらっしゃる皆様の善意によるものであり、寄附全般の目標額を掲げることについてはなじまないものと考えております。

 今後とも、皆様による寄附文化の輪を広げていくため、取り組みを一層強化していきたいと思っております。

<岡田 総務部長>

 私からは、二点について御答弁申し上げます。

 まず一点目、ふるさと納税に関連しまして、財政状況による職員の給与削減について御答弁申し上げます。

 地方公務員の給与に関しましては、地方公務員法により、第三者機関である人事委員会が地方公共団体の議会及び区長に勧告を行うことができるものとされており、区は任命権者としてこれを尊重した上で、条例で給与を定めることとされております。

 また、特別区職員の基本的な任用及び給与等に関する事項につきましては、二十三区共通事項として、労使間協議に基づきまして統一交渉で行われており、そこでの決定事項についても、区は誠意を持って実施することが求められる立場でもございます。

 他自治体で財政事情等を理由とした職員給与の削減を行った例はございますが、区独自で給与決定を行うことにつきましては、こうした法制度を踏まえますと、相当に慎重な対応が必要となる事柄であると考えております。また、人事委員会の勧告によらず削減する場合でも、労使協議を経た上で条例改正を行い、改定を行うという手続を踏む必要がございます。

再質問

 それでは、区長に何点か再質問をしますけれども、最近の明るい話題で、上野のパンダに子どもが生まれたということですが、これは経済効果はどれぐらいだって試算されていると思いますか、区長は。これは二百六十七億円ということです。

 一方、区長の政策決定によるふるさと納税の経済効果は幾らだとお思いでしょうか。これはマイナス二百二十一億円の経済効果です。大変大きな数字です。ですから、どう責任をとるんですかと聞いておりますけれども、答弁がございません。今、総理大臣でも、もしそうならやめるぐらいの答弁を国会ではしているわけでありますけれども、区長は国会で自称質問王だったそうですけれども、政府の答弁が区長の答弁のようだったら、よしとしたんでしょうか。

 改めて聞きますけれども、赤字が減らなかったらどう責任をとるんですか。また、なじまないとかなじむとかという問題ではなくて、財政改善のために、寄附額の目標はどのように設定をするつもりなんでしょうか。

 また、意見交換会のほうでもなぜ早く開かなかったという意見があったようですけれども、これについても区長は答弁をしていませんので、回答をいただきたいと思います。

<保坂 区長>

 再質問にお答えをいたします。

 まず、パンダの出産は大変おめでたいなと思っております。経済効果も大変あるものと思います。

 あべ議員のおっしゃるマイナス二百二十一億円というのは、独自の、あべ議員の手法による計算だと思います。まず、私が勝手に何か全部決めているようにおっしゃっているんですが、これは私の勝手な方針ではなくて、もともとふるさと納税に対してどうするんだということに対して、世田谷区は寄附型でいこうというのは、これは担当所管部、また庁内で議論をしてきました。御報告しているように、ふるさと納税等対策本部も設置しています。こうした中で意思決定してきているということを、まず押さえていただきたいと思います。

 問題はそのふるさと納税のゆがみですね。おっしゃる二百二十一億円は、私はそのとおりだと思わないですけれども、区に大きな影響を与えていることは、その税収減という意味では、これは動かしがたい事実です。

 ここまで大きく広がったというのは、先ほどちょっと申し上げた、平成二十七年の税制改正で所得割の一〇%から二〇%ということで引き上げがあったということが大きいと思っています。したがって、世田谷区、一番ふるさと納税の減収の影響額は大きいんですね。横浜市が金額は大きいですけれども、四分の三は地方交付税で措置、補填を受けますので、純減という意味では、世田谷区が日本で一番大きな自治体と現在なっています。

 そういった区であるということも受けとめて、何としてもふるさと納税のゆがみを正すというのは、私の責任のとり方、役割だというふうに考えておりまして、昨年、平成二十八年、全国の住民税で控除された総額は一千一億円です。今年度、世田谷区は二倍になっているということでいえば、全国の住民税控除額は二千億円に近づいていくということさえ考えられますよね。実際は出てみないとわかりませんけれども、しかし、膨らむのは間違いない。

 さらに膨らむ可能性があるわけですね。ふるさと納税できる人が全てやるというようなことになれば、これは三千億、四千億と、全国の住民税控除額、そこに四分の三は国税を入れているわけです。こんな制度がどれだけ持続しますかと。こんな制度が本当に税制として正しいんですかと。

 私は、ふるさと納税自体は、ふるさとに寄附するとか被災地に寄附する、いいと思います。それはあくまで節度を持って、自治体間の通販と言われるまでになったこのふるさと納税バブルの状況はぜひ抑制をしてもらいたい。そのことを国に対して強くこれから求めていくことを私の責任といたします。ですから、全然向いている方向が違うわけです。

 もう一つは、目標額についても、先ほど遺贈の話をいたしました。遺贈というのは亡くなってからということですので、そういう例もあるということで御紹介しましたけれども、あくまでも寄附については今よりふやしていくということで、ふるさと納税で失っていく税収減、これは世田谷区民に対して初めて、例えば保育園とか、学校とか、高齢者福祉だとか、あるいはごみの収集だとか、区民税で行われていることというのは数多いわけです。そのことについての影響が、このままだと出てくるおそれが大きいわけです。そのことについて、世田谷区民に対して、ふるさと納税をみずからの区にすることで、まさに住民税の本来の部分を大きく毀損しないというキャンペーンを続けていきたいというふうに思います。

 意見交換会については、お一人の方がもっと早くやるべきではなかったかということをおっしゃいました。いろんな意見が出ましたけれども、これだけふるさと納税が広がっているので、記念品と言わずに、おっしゃるような返礼品でしょうか、そういったもの、グッズを並べてはどうかという意見も出ました。一方で、寄附文化醸成ということで、ちゃんとここは頑張って、世田谷区からふるさと納税を転換していくべきだという意見も出ました。

 以上です。

平成29年3月28日 第1回定例会 賛成意見

 石破茂元地方創生大臣は、中央公論の対談で、ふるさと納税とは愛称で、本質的には寄附制度だ。東京が抱える課題への対応は、地方の振興と不可分一体で、両者をつなぐ方策として寄附制度はあってしかるべき。ふるさと納税で大損したのは東京二十三区と政令市だ。そこに共通するのは、財政に窮していないから、まあ、いいかということだと理解している。二十三区は返礼品を用意していないところが多く、記念品なんて書いてあって、何が送られてくるかわからない区もあり、そこに哲学があるとは思えない。地方だけ得をして東京は割を食っているとかいった議論に矮小化すべきではない。都市部の自治体は税が余っていたことをふるさと納税が証明してしまった。過当競争だと批判する向きもあるが、逆にどうして自治体が競争していけないのかと問いたい。民間は熾烈な競争の中にいて切磋琢磨しており、自治体だけが競争しなくていいのか。ふるさと納税で自治体がどんな努力をするかで自分たちの暮らしが変わるのだから、選んだ首長がどれほど課題に真剣に取り組むのか評価して、次の選挙の判断材料にする主権者意識を変革する上で格好のサンプルになったと評価していると述べています。

 さて、過度の返礼品競争には加わらず、寄附文化の醸成を目指し、国に制度改善を要望するという世田谷区の対策をあえて講じないという保坂区長の政策決定は、財源の流出を放置し、ある意味、地方を応援すると宣言していると解釈すれば、ふるさと納税という愛称の寄附制度本来の目的を支持すると逆説的に考えることができなくもありません。しかし、私は、世田谷区民としてこの二年間、百二十三億円もの本来世田谷区に入ってくるはずだった税金の他自治体への流出が区民サービスの低下につながると確信しますし、税源流出の責任は政策決定した区長にあるということだけは確認できたと思います。この点は、有権者である区民にしっかり報告し、区政への評価、検討を促してまいりたいと思います。

 来年度の寄附金収支はさらなる赤字増大が懸念されますが、区長には他人事なので、涼しい顔でいられるのでしょう。これは世田谷区行政の保坂リスクにほかなりません。保坂区政六年間でスクラップした施策の合計額は約三億円にすぎず、折からの景気回復による税収の増加に任せて肥大化を続ける放漫経営と言えます。今予算委員会では、投資的経費の増大による財政の見通しの甘さを指摘されていましたが、先を見通した行財政改革が必要です。健全な財政維持のためにあらゆる方策の検討と実施を要望し、賛成の意見といたします。

平成29年2月23日 第1回定例会

 まず、ふるさと納税について伺います。

 一月十日付のブルームバーグの報道で、政策経営部の課長がその取材に答えて、高所得者が生活用品を受け取って節税に当てる可能性もあると、納税者を悪者にし、責任転嫁するがごとき発言をしていますが看過できません。部長も了解の上での回答だったと聞きましたが、この部分の撤回と区民の納税者に謝罪すべきと思いますが、まず見解を求めます。

 区長も、役人の皆さんも、ふるさと納税の影響を矮小化して十七億円、三十億円という区民税減収額だけを問題視していますが、その視点を変えるべきです。ほとんど対策を講じなかった二年間で世田谷区民が全国の自治体に約百二十三億円を超える寄附をしているということは、約百二十三億円の市場があるということです。また、世田谷区経済全体への乗数効果は、産業政策部が世田谷プレミアム商品券発行金額に対する経済効果を一・八五倍と算出していますから、これをもとに試算すると約二百二十八億円のマイナスの経済効果となります。

 返礼品事業は世田谷からの寄附金流失を食いとめる対策の一つと考えられますが、たとえ、そのための経費が五割、約六十億円、またそれ以上かかっても、投資効果という観点では、区の消費・経済活動に転換され、効果を最大化すると捉えて事業に取り組むべきと考えますが区の見解を求めます。

 また、一貫して消極的だった返礼品を記念品という形で始めるということですが、既存の物品を並べるだけでは全く不十分です。ふるさと納税にふさわしい品を創出すべきです。この間、私は体験型の返礼品などあらゆる提案を繰り返してまいりましたが、今後は、この問題解決に、適切、スピーディーな状況判断できず寝ぼけたような言いわけを繰り返す区長や、スキルもノウハウもやる気も危機感もない役人の皆さんの中だけで議論するのではなく、産業界との連携やコンサルに案を出してもらうなど、これなら世田谷区に寄附しようという返礼品の工夫をすべきです。見解を伺います。

 私が、ふるさと納税による区民税の流出を懸念し、さまざまな提案をするたびに、区長は過度の返礼品競争には加わらず、世田谷らしい寄附文化の醸成に取り組むとの回答を呪文のように繰り返してまいりました。また、一方で、国の制度が悪い、改正に向けて要望すると当てのない言いわけに終始してきました。その結果、約百二十三億円の流出を許した責任が区長にあることは厳然たる事実です。この責任をどのように受けとめて取り組みを進めるのか、区長の決意と対策を伺います。

 また、その対策等について他会派への答弁では、区民への周知により理解を得る、財源流失をとどめる取り組みを進めるなど具体性を欠くものでしたが、具体的に何をどう周知し、何に取り組むということですか。議場では極めて歯切れの悪い答弁ですが、区長はブログなどでは極めて雄弁に語られていますので、詳しくはウエブでということでしょうか。それとも、寄附文化醸成区長は流失した約百二十三億円をどうして取り返したかとかいう題名の著書の出版を待たなければならないのでしょうか。具体策をわかりやすくお答えください。

<保坂 区長>

 ふるさと納税について、その責任についてというお尋ねでございます。

 ふるさと納税の影響については、平成二十七年度の特例控除額の上限の引き上げ及びワンストップ特例制度の導入によって、一挙にその規模が拡大しました。区の場合、寄附額で七億六千万円から四十三億六千万円、区民税の影響額で二億六千万円から十六億五千万円へと急増いたしております。

 この急上昇は、国の制度改正により全国的な返礼品の競争が過熱をしたこと、また、ワンストップ特例制度では所得税分まで控除されるにもかかわらず、東京二十三区など一部の自治体のみが不交付団体ということで減収分を補填されないなどの不公平もあります。

 住民サービスの根幹をなす住民税に余りにも大きな影響を与えていることから、招集挨拶でも述べたとおり、ふるさと納税の見直しは絶対に必要であると国に要望し、現にその準備をしているところであります。

 ただ、私自身の反省といたしましては、ふるさと納税制度が区財政にこうして影響を与えていることについて、区民にわかりやすく、目につきやすい周知、宣伝が不足をしていたという点にございます。この間、産業団体や税関連団体の会合等で、この影響額のお話をすると、それほど深刻なのか、あるいは制度の見直しは必要だ、それについて協力をする、こんな声もいただいております。昨年も「区のおしらせ」特集号で、七つの基金を紹介し寄附を呼びかけました。今後もこの基金については訴えを続けるとともに、また、改善、工夫も進めてまいります。

 今回、ふるさと納税等対策本部を設置し、速やかに区民周知のため、例えばチラシ、リーフレット等印刷物を準備するとともに、これ以上の税源流出の歯どめをかけるために、世田谷区としてふるさと納税のスキームにどのような工夫を凝らしていくのか、効果的な対策に取り組んでいく所存です。

<板谷 政策経営部長>

 私からは、ふるさと納税についてネット報道における発言について、また投資効果という観点から寄附金をとどめる事業に取り組むべきというお尋ねにまとめてお答えいたします。

 ネット報道に関する取材対応の経過といたしましては、昨年十二月に記者の方から電話による取材を受け、制度の説明に加えて、区としての呼びかけや記念品などの充実に向けて努力をしているなどの内容のほか、区歳入が減ることへの対応や課題等についてお答えした旨の報告を受けております。取材に対しては事実と認識を述べたもので問題はないものと考えております。

 ふるさと納税の影響につきましては、寄附金額に注目をしますと、二十八年度では四十三億円、二十九年度当初予算では、区民税の影響額三十億円としております。それに対する寄附見込みとして八十億円、合わせると、ここ二年で他の自治体に約百二十億円を超える寄附となるわけですが、これは二十九年度当初予算の中で、小中学校の改築改修経費に相当する極めて大きな規模となります。

 また、返礼品に関しては、みずからの地域の生産品を取り扱うことで、事業者の収益、従事者の所得の増加を初め、自治体の税収増加にもつながることから、一定の投資に伴い自治体のPRや産業の活性化に寄与する面があるものと認識はしてございます。

<岡田 総務部長>

 私からは、ふるさと納税に関連しまして返礼品の工夫について御答弁申し上げます。

 区では、ふるさと納税による影響が看過できない状況にあることから、いわゆる返礼品合戦とは一線を画した上で、来年度より産業振興を初め、福祉施策の推進、文化芸術振興などへの取り組みをさらに応援していただく観点から、一定額以上の寄附をいただいた方々に、世田谷みやげや区内の障害者施設の自主生産品、世田谷美術館などで販売している商品を記念品として贈呈するための準備を進めているところでございます。

 今後は、区長を本部長として立ち上げました世田谷区ふるさと納税等対策本部のもと、体験型と言われる区事業等への参加機会の提供や、使い道と目標額を明確にしたクラウドファンディングの活用、さらには、お話にあったことも視野に入れながら、幅広い観点から世田谷の魅力を発信し、寄附文化の醸成を図るとともに、財源流出を抑制するため、全庁挙げて取り組んでまいります。
 以上でございます。

再質問

 ふるさと納税に関してですけれども、区長から回答いただきましたけれども、今般の目標額とかそういうものに対しては全くお答えになっていないんですけれども、これはどういうふうに設定をするのかということを、まずお答えをいただきたいと思います。

<保坂 区長>

 ふるさと納税ですけれども、今年度、一月末までに約二千三百四十万ですか、世田谷区に入った金額。そのうち、十二月にふるさとチョイスを導入しまして百五十万円。これは特に返礼品等ないわけですけれども、しかしながら、ここでやはり児童養護施設の基金に対する割合が非常に大きかったんですね。ほとんどと言っていいくらい。ですから、やはり寄附も具体的な使途を示して呼びかけていくべきだと思っています。

 ふるさと納税を利用した目標額を示せということなんですが、その点も含めて現在対策本部で検討を重ねて、どのようなアプローチで、また記念品という言い方をしていますけれども、これまでの扱いと変えて、さらに税源流出を阻んでいこうというプロジェクトを立てていきますので、少しそこはお待ちいただきましと思います。

 ただ、寄附全体については、今年度は約一億円と、これは遺贈という金額が多い寄附が入ってくると億を超えるわけですけれども、例年数件遺贈がある場合、またない場合は数千万円の寄附ということでこれまで推移してきました。寄附全体については、区民や区にゆかりのお気持ちということで、これはちょっと目標額はなかなか設定しづらいなというふうに考えています。

平成28年11月29日 第4回定例会

 まず、ふるさと納税について伺います。

 第三回定例会での私の一般質問に岡田総務部長は、ふるさと納税事業における寄附金の目標額を設定するつもりがないとの、我が耳を疑う回答でありました。一方、同じ二十三区特別区の中野区では、世田谷区の四十三億円に比べはるかに少ない九億円の区民のふるさと納税による他自治体への寄附額と、三億六千万円の財源流出に危機感を持ち、ことし十月二十日の年度途中から千五百八十六万四千円の予算で事業を開始しました。事業内容は、開始日から平成二十九年三月までの約半年間で三千万円の寄附獲得目標額を設定し、得られた財源の活用目的も多岐にわたり明確に打ち出しております。

 さて、世田谷区は事業実施まで大変時間がかかっておりますが、ふるさと納税事業の展開に向け準備を進めているとの回答でした。中野区のように早急な対策を講じるよう重ねて要望いたしますが、世田谷区のふるさと納税事業による明確な目標額の設定、得られた財源の活用目的、予算規模等の検討状況、開始時期など明確にすることを要望し、説明を求めます。

 また、制度が悪いと嘆くよりも積極的に活用して、区民サービスの低下を招かぬよう財源の流出をゼロにする対策を講じるとともに、世田谷区の事業推進に向けた日本全国から財源を呼び込む制度にするよう求めます。

 さきに区長が推進表明した給付型奨学金制度や、今般表明した保育士支援など、世田谷区の喫緊の課題解決に向けた事業の財源確保に向けたクラウドファンディング事業に加え、「世田谷みやげ」などによる返礼品のeコマース事業とのベストミックスによる世田谷らしいハイブリッド型ふるさと納税制度を来年度の事業としてデザインできるものと期待しておりますが、区長の見解を求めます。

<保坂 区長>

 あべ議員にお答えをいたします。

 ふるさと納税制度について、区の姿勢についてのお尋ねがございました。

 まず第一に、ふるさと納税については、各自治体による過剰な返礼品競争がクローズアップされ、利用も大変ふえておりますが、この返礼品による見返りを受けた住民のみが恩恵を受け、他の住民は失われた税収分の行政サービス低下を甘受しなければならない不公平が生じるなど、地方税制の根幹にかかわる問題があり、特別区長会として国に対して見直しを図るよう主張しているところであります。

 一方、本区においてふるさと納税制度による区税への影響は年々増大し、今年度は約十六億円という大きな影響を受け、国の速報では今年度の寄附金は一・五倍増となるなど、ますます看過し得ない状況になってございます。単純計算で影響額を一・五倍と計算すれば、二十億円台半ばという区財政にとって大変大きなマイナスとなります。

 こういった状況を受けて、やむを得ない財源確保の選択ではありますが、返礼品競争とは一線を画した節度ある範囲での品物の贈呈などで税流出の抑制に踏み込まざるを得ない状態になっております。あわせて、本年度から始めております寄附を通した区政参加を誘導する手法として、インターネットでダイレクトにこの寄附ができる、こういったことの専門サイトの活用や、事業別の用途を明示した上で目標額をはっきり掲げてクラウドファンディングなどを活用するなど、これまで行ってこなかった取り組みも一層工夫しながら進めてまいりたいと思います。

 また、お尋ねの寄附全体の目標額については、この間のふるさと納税制度の影響を危機感を持って捉え、区としての取り組みを総合的に検討する中で、私が判断してまいります。

<岡田 総務部長>

 ふるさと納税制度を活用した事業の検討状況について御答弁いたします。

 区では、区民の参加と協働による支え合いの輪が広がる地域社会を築くため、寄附文化の醸成を実施計画に掲げ、寄附制度や寄附金の活用方法などの積極的なPRに努めてまいりました。また、この十二月より、区へ寄附をしていただく方々の利便性の向上を図るため、民間ポータルサイトを活用したインターネットによる寄附の受け付け及びクレジット決済を開始するために準備を進めているところでございます。

 こうした中、ふるさと納税制度につきましては、自治体間において地元の特産物等を活用した返礼品競争が加熱しており、これによる区財政への影響は年々膨らみ、もはや看過できない状況になっております。

 このような状況を踏まえ、御指摘いただいた返礼品につきましては、「世田谷みやげ」などを品物として活用することによって、産業振興や世田谷の魅力を高める観点から効果的であり、ひいてはふるさと納税制度による区財政への影響の緩和にも資するものと考えております。現在、来年度での実施に向けて関係所管と検討を進めているところであり、そのための予算についても確保してまいりたいと考えております。さらに、区の外郭団体や区内の障害者施設関連の商品などの活用についても検討してまいります。

再質問

 ふるさと納税について再質問させていただきますけれども、年末に向けて駆け込み需要が増加することから、マスコミでも取り上げる回数がふえてきているように思います。けさもテレビ朝日でふるさと納税を実施している東京の二十三区の区が八区あるというような説明をしていました。ところが、昨日の東京新聞のふるさと納税十区が返礼参戦という記事で、世田谷区はその十区に入っていて、ふるさと納税返礼品事業を導入していることになっている。区が行っているのは、一般寄附に対する謝礼として福祉作業所などでつくったクッキーなどを贈っているということです。これは、ふるさと納税に対する対価の返礼として何らかの物品やサービスを寄附者に選んでもらう返礼品事業とは全く別だと思います。取材を受けた課長が、新聞記者の方が錯誤するような説明をし、結果、ふるさと納税の返礼品事業を既に開始しているがごとき報道をさせたのは、詐術に近いと思います。

 区のホームページを見ても、ふるさと納税の返礼品事業を特定できるものは見当たりません。「区のおしらせ」特集号で寄附の謝礼について区民に説明したとのことですが、九十万区民はこれをもって世田谷区はふるさと納税の返礼品事業を実施しているという認識は現状ありませんし、納得しないでしょう。こうした区民をばかにしたやり方には、あきれるばかりです。

 改めてお聞きしますが、いつからふるさと納税の返礼品事業を開始するのですか。来年度との回答が総務部長からありましたけれども、来年度どの時期に、早期なのか、その辺も含めて区長に改めて答弁を求めたいと思います。

<保坂 区長>

 あべ議員の再質問にお答えをいたします。

 まず、認識としてはあべ議員がおっしゃっている一般寄附に対する謝礼として、現在、例えば福祉の基金であればクッキーなどを贈っているという対応、また、寄附型ということで児童養護施設の基金、一番寄附もいただいていますけれども、これに対する謝礼は、この助成を受けた若者の声をリーフレットにしてまとめるとか、子ども基金であれば活動報告書を送るとか、そういったことになっておりますので、返礼品事業とは全く別だということはあべ議員の指摘のとおりであります。

 昨日の東京新聞のふるさと納税十区が返礼参戦という内容になっておりまして、私も記事を何回も読みましたけれども、これはちょっと誤った報道ということで、訂正なり、実際はこうだということをさらに正確に報道してもらいたいと思っておりますが、この中で、福祉作業所でつくったお菓子などを返礼品にする試みを始めたとあって、その返礼品という言葉から十区ということで束ねられた表現になったのだと思います。

 したがって、区としては、いわゆる返礼品競争とは一線を画して、寄附文化を醸成するための心を込めた記念品ですよということで、障害者施設のお菓子なども出している、あるいは文化施設の入場券なども出しているわけであります。ただ、先ほど答弁申し上げたとおり、どんどんこのふるさと納税額が増加をし、区財政への影響も看過できないという状況であることから、基本、いわゆる返礼品合戦、つまり、一万円寄附したらこれだけのものが来るということの競争ですね。そこに参入するということではなくて、あくまでも寄附文化の醸成なんですけれども、その記念となる品物についてより工夫を、「世田谷みやげ」であるとか、障害者施設でつくられたものであるとかに凝らしていこうということを考えております。

 今回の記事に至る取材の中で、今回十区が参戦というのは違いますよということは新聞のほうにもお伝えをし、より正確に、また本区における取り組みをしっかりフォローしていただきたいということと、また、区のより効果的、正確な税収への影響も非常に大きいわけですから、そのスタンスも含めた正確な情報発信を努めていきたいと思います。

 お答えいただきましてありがとうございました。

 明確ないつからというお答えはなかったんですが、来年度早期に実現をしていただくように、これは改めてまた要望しておきたいと思います。

平成28年10月18日 第3回定例会

 平成27年度決算に対する会派意見

 昨年度の世田谷区ふるさと納税収支は約四十三億円の大赤字です。これは、区長が来年度四十三億円で二千二百人分の保育定員をふやすとしている予算とほぼ同額です。また、今年度、十五億円発行する区民公募債は、ふるさと納税で失われた区財政影響額十七億円の穴埋めにも足りません。ふるさと納税による財源の流出を防ぎ、地方の自治体と健全な競争関係を築くため、区民に賛同を得られるさまざまな魅力あるメニューを取りそろえるなど、早急に対策を講ずるよう、重ねて要望いたします。

平成28年9月16日 第3回定例会

 これまでふるさと納税に関しさまざま質問と要望を重ねてまいりましたが、いずれもさらなる区財源の流出を食いとめるために、世田谷区として考え得るあらゆるふるさと納税のメニューを区民に提示することが肝要との考えからです。昨年の区のふるさと納税確定値は約四十四億円、財政影響額は十七億円と、看過できる状況ではありません。保育を初めとした区の施策に寄附を募るクラウドファンディング、「世田谷みやげ」を返礼品としたeコマースなどが一体となった事業展開に期待しますが、保育サービスの財源確保へふるさと納税の活用に対する区の見解並びにふるさと納税に関する事業構築に向けた現在の進捗状況と課題、今後の予定と計画をお聞かせください。

<板谷 政策経営部長>

 次に、ふるさと納税のクラウドファンディングを活用した保育施設の整備ということでお話がありました。

 保育待機児対策を初めとする子育て支援の充実や災害対策の強化、公共施設の老朽化対応など、財政需要が増大する中、ふるさと納税による特別区民税の減収の影響拡大は看過できない状況となっております。本来の趣旨と異なり、返礼品目当ての寄附がふえているなど、特別区長会はふるさと納税制度の問題点を指摘し、この秋にも再度発信をしていくこととしております。

 一方、当区におきましては、基本計画に掲げる区民参加の推進に向け、寄附文化の醸成の取り組みを進めており、この間におきましては、「区のおしらせ」特集号により、寄附で支えあうまちづくりの支援を呼びかけたところでございます。また、より寄附のしやすい環境を整備するため、寄附の具体的な活用目的を示すとともに、民間の寄附ポータルサイトを活用したクレジット決済の導入や、返礼品としての「世田谷みやげ」の活用などの検討を進めているところでございます。

 御指摘のクラウドファンディングは、活用目的や目標額、募集期間など、具体的かつ身近なメニューを示し、幅広い呼びかけを行うことで、より積極的に区民参加を促すための手法の一つとして有効な可能性があると考えられますことから、あわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

平成28年6月14日 第2回定例会

 ふるさと納税制度への対応です。

 平成二十六年九月の決算特別委員会以降、何度もふるさと納税制度への質問と提案を繰り返してまいりました。今般、ようやく寄附に対する返礼品導入を決定したことや、「区のおしらせ」特集号で世田谷区へのふるさと納税を呼びかけていること、企画総務委員会での説明のあった寄附制度への理解と参加を推進する取り組みについての中で、ふるさと納税も踏まえた寄附文化の醸成としていることは、ふるさと納税制度による区民税流出阻止に向けてスタートラインに立ったものと評価をする一方、明らかとなった二十七年度の流出金額は区の予想をはるかに上回り、二万三千七百二十一件で約四十二億円、前年度の約七億六千万円から五・五倍に増加しています。

 一方、世田谷区へのふるさと納税は四十二件で約千五百八十万円、差し引き収支は四十一億九千五百万円の赤字であります。本年、二十八年度は、さらに区民のふるさと納税寄附額は増加が予想されますが、区の想定を伺います。

 私が以前ただしたように、世田谷区はふるさと納税により最高で約二百数十億円、区民税の二割が減収になる可能性があります。こうした大幅な減収が現実のものとなった場合、世田谷区は区民サービスを維持しつつ事業執行するためにどのような方策が考えられるのかお答えいただきたいと思います。

 今月三日に保坂区長は、来年度、保育定員二千二百人分の拡充に取り組むとしておりますが、その事業費は四十三億円です。皮肉なことに、この額は昨年度、区民が他自治体にふるさと納税で寄附した額とほぼ同じ額です。このように本来ならば世田谷区に入ってくるはずの税収が他自治体に流出することにより、事業が予定どおりに執行できない、縮小を余儀なくされることは、もはや不測の事態ではありません。

 これまで区の答弁では三千億近い巨額の歳入にあぐらをかいて、危機感すら感じられませんでした。しかしながら、ふるさと納税を利用する区民にとって送られてくる返礼品と税額控除は、政府の政策によって物価や税金、社会保障費が高騰する反面、実質所得が上がらない状況を打開する、納税者の生活防衛の選択肢の一つであります。こうした動向を世田谷区はどう認識しているのか、見解を求めます。

 いずれにしても、世田谷区財政全体を見回して、ふるさと納税の対策と検討を第三者の厳しい目でとは言いませんが、区民の動向を調査しつつ、ふるさと納税のさまざまなメニューをそろえて、今以上に真剣に取り組むべきと考えます。急激な税収減による区財政への影響の現状認識と今後の対応について、区長の見解を求めておきます。

 さて、この四月から五月にかけて、世田谷区産業振興公社で取り組んでいる「世田谷みやげ」参加の約百事業所を対象に、ふるさと納税に関するアンケートを実施いたしました。回答いただいた全ての事業所がふるさと納税の返礼品として「世田谷みやげ」を検討することに賛成でありました。御意見も総じて、「世田谷みやげ」の新たな販路の拡大と世田谷区の魅力発信、税収の確保など、区内事業者と区民、世田谷区がそれぞれウインウインの関係になれるので、ぜひ検討を実施してほしいとのことでありました。

 また、興味深いことに、ふるさと納税制度は知っているが、利用したことがないという方がほとんどで、今後はふるさと納税をしてみたいとの回答でありました。このことからも潜在的なふるさと納税需要が大きいと確信できます。この結果に対する区の見解も求めておきます。

 また、世田谷区の税収流出阻止の自己防衛のために、過剰な返礼品競争に参加しろとは言いませんが、対策は必要です。良識を保った、世田谷区民の感性に合うようなふるさと納税の返礼品として特に「世田谷みやげ」を検討し、区民ニーズに対応していくべきと考えますが、区の見解を伺います。

<保坂 区長>

 あべ議員にお答えをいたします。まず、財政とふるさと納税についてのお尋ねでございます。

 ふるさと納税につきましては、自治体による過剰な返礼品競争が大きくクローズアップされ、区では過度な競争にくみすることなく、品位を持ち、節度を重んじて、寄附金とセットの記念品等でふるさと納税制度を活用する準備をしまして、今般スタートしたところでございます。

 ただし、二十七年度分の速報値でこの影響額が約十六億円に上る減収があるという結果が出てまいりました。世田谷区は減収分の補填はないということであり、影響はもはや座視することができないレベルに達していると考えております。

 今後は、物品返礼の枠のみではなく、他自治体で既に行われている体験型の提供など、知恵を凝らして取り組みを加速したいと考えております。

 一方、ふるさと納税制度は、生まれ育った自治体や応援したい自治体に寄附ができる仕組みとして創設をされましたが、現在、返礼品による見返りを受けた住民のみが実質税負担減の恩恵を受け、その他の住民は失われた税収分の行政サービス低下を甘受しなければならない不公平が生じるなど、制度自体が税体系を乱していくという問題点があり、昨年九月には、ふるさと納税は本来の趣旨に立ち戻って考えるべきであると、特別区長会として国に対して主張しているところであります。今後も、区長会としての議論も強めてまいりたいと思います。

 ふるさと納税への対応も含め、世田谷らしい寄附文化の醸成の取り組みが大きく広がるよう、極めて重要な施策として今後取り組んでまいりたいと思います。

<板谷 政策経営部長>

 ふるさと納税について、三点まとめてお答えをいたします。 三点、平成二十八年度影響額の想定、区民サービスを維持する方策、生活防衛の選択肢とする実態、まとめてお答えをいたします。

 ふるさと納税制度は、平成二十年度の税制改正により、所得税や住民税の寄附金控除といった税制上の優遇措置を与える制度として導入され、昨年度にはワンストップ特例など制度の拡充がされてきております。ふるさと納税による今年度の区税控除額は、現在集計中ですが、六月二日現在、約十六億円と、決して小さくない額となっており、議員御指摘のとおり、今後も拡大する可能性が大きいと認識をしてございます。

 ふるさと納税制度は、生まれ育った自治体や応援したい自治体への寄附ができる仕組みとして創設されました。しかし、その後、寄附を前提としながら、各自治体の豪華な返礼品を目当てとしたふるさと納税が多いことから、自治体による過剰な返礼品競争の問題も指摘をされております。生活防衛とのお話もありましたが、一方で非課税者はメリットがなく、高額所得者ほど税控除が広がる仕組みであり、節税対策とのお声もあります。

 この間、ふるさと納税制度は寄附であり、ふるさとや地域を応援していく本来の趣旨に立ち返るよう、特別区長会を通じて主張してまいりました。今後も危機感を持ち、他区とも連携の上、対応策を図るとともに、世田谷らしい寄附制度への理解を広げてまいりたいと思います。
 以上でございます。

<岡田 総務部長>

 ふるさと納税に関連しまして、「世田谷みやげ」の参加事業者のアンケート結果、また、ふるさと納税の返礼品の検討について御答弁申し上げます。

 区では、区民の参加と協働による支えあいの輪が広がる地域社会を目指して、寄附文化の醸成を実施計画に掲げ、寄附制度のPR等の取り組みを進めてまいりました。今年度は総務課と七つの基金担当所管が連携を強化し、区のホームページを初め、「区のおしらせ」特集号などを通じて寄附金使途の見える化を一層推進するとともに、各基金への理解をより深め、広げていただくための事業案内の一環として、事業概要や事業実績に加え、事業関連の品物や鑑賞券などをお送りすることとしております。

 一方、ふるさと納税制度につきましては、自治体間での返礼品競争が年々加熱しておりますが、区としては、世田谷を応援していただくための世田谷らしい取り組みを進めていきたいと考えております。

 ただいま議員が実施された「世田谷みやげ」参加事業者へのアンケート結果について御紹介いただきましたが、「世田谷みやげ」を返礼品として活用することにつきましては、区内外に世田谷の魅力をPRするとともに、産業振興の観点からの効果も期待されることから、関係所管とも連携し、「世田谷みやげ」参加事業者の意向も踏まえながら検討を進めてまいります。

再質問

 それでは、再質問させていただきますけれども、世田谷区の回答は、制度上の問題に触れて、ふるさと納税制度が改正されたり、制度そのものがこれは何とかなくならないかなというような淡い期待すら感じられるわけでありますけれども、問題がありながら、政府は新たにふるさと納税の企業版を創設して増強していることから、早々になくなるということはないと思います。もう既にことしは半年が過ぎておりますけれども、現状提示している対策でどれぐらいの税収の流出が阻止できるのでしょうか。

 そこで三点伺いますけれども、ふるさと納税による世田谷区への寄附目標額はことしは幾らでしょうか。二番目に、ふるさと納税での収支の勝敗ラインはどのようにお考えでしょう。三点目は、「世田谷みやげ」など新規の対策はいつまでに検討して実施するのか、この三点についてお答えいただきたいと思います。

<岡田 総務部長>

 三点の再質問にお答え申し上げます。

 まず、ふるさと納税による世田谷区への寄附目標額、それから勝敗ラインということでございますが、平成二十七年度における世田谷区へのふるさと納税を含めた寄附額は、整理中ではございますが、約二千四百万円となってございます。

 これらの寄附は、個人、法人、団体等の皆様の善意によるものでございまして、今後につきましても、寄附の具体的な目標額を掲げるというよりも、こうした皆様による善意の輪をより一層広げていくための取り組みを進めていきたいと考えております。

 また、三点目の新たな対策の時期でございますけれども、来年度の予算編成に向け、関係所管と検討を進めてまいります。
 以上でございます。

 目標はぜひ設定していただきたい、これは要望しておきます。

 それと、区長、対策が遅々として進まないのは、所管がはっきりしていないからではないかと思うんですね。返礼品の事務等もこれから出てくるということから、寄附やふるさと納税対策の専門の所管を設けるべきではないかと思いますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。

<保坂 区長>

 あべ議員の再質問にお答えをします。

 区では、ふるさと納税制度の対応を含めた寄附文化を広げていく対応をしておりますが、この体制については、このふるさと納税制度、納税制度や税控除実務については財務部、そしてそれぞれの寄附実務については、例えば保健福祉部であるとか子ども・若者部であるなど、各所管部と総務部が取りまとめていく、また、区財政への影響や全体調整は政策経営部が担当するという役割分担でやってきております。

 現在、今回の十六億円、これがじゃ、今年度どう拡大していくのか、予断を許さない状況だと思いますので、私が陣頭指揮をとり、この対策について早急に進めるように進めているところです。

 また、体制の整備については、今後のプロジェクトの進展にあわせ、さらに強化できるように検討してまいります。

平成28年3月24日 予算特別委員会

 次に、今般、新規事業として出ている給付型奨学金の創設についてでありますけれども、この施策につきましては、全国自治体に先駆けた取り組みとして、私は大変評価をしたいと思います。

 現状としては、貧困家庭に生まれて、その貧困の連鎖がなかなか解消できないという中で、大学に進学をするというときに、奨学金を希望する方が大変多い。ところが、今の奨学金制度は全て返還をしなくちゃならないというものがほとんどでありまして、それを返さなくてもいいというようなことに変換をしていくことが、この日本の社会の人的資源を豊かにしていく一つの方策であろうと。その上で、それは結果としては、今政府が打ち出している一億総活躍社会の前提ではないかなと私は思うわけであります。

 その上で、この制度、世田谷区でもしっかり定着をさせていくためには、財源が寄附金ということでありますけれども、前々から私が提案をしておりますふるさと納税、このふるさと納税をガバメント・クラウド・ファンディングという考え方を取り入れて、ぜひこの財源の一つに取り入れてはどうかということでございます。
 この考え方について、区としてはぜひ前向きな検討をしていただきたいと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。

<板谷 政策経営部長>

 ガバメント・クラウド・ファンディングについてお話がありました。地方自治法施行令の改正によりまして、平成二十三年以降、他自治体でも導入しているところもありますが、プロジェクト等々に使い道が明確で、寄附者から賛同を得られやすい点で効果がある手法と考えております。

 区といたしましては、使い道が見えやすく、寄附者の意思が尊重できる、世田谷らしい寄附制度としてふるさと納税制度の対応に取り組んでいるところですが、その点においては効果的な手法と思われますので、導入・運営経費等の兼ね合いも含め検討を進めてまいりたいと思います。

 ガバメント・クラウド・ファンディングは、今提案をいたしましたのはこの奨学金の財源ということでありますけれども、さまざまな行政の課題を解決するために目標額を設定して寄附金を募るということが、他の自治体でももう既に行われているということであります。それもふるさと納税という制度を活用したガバメント・クラウド・ファンディングが行われているということでございますので、世田谷区としてもしっかりその辺を研究していただいて、ふるさと納税の活用のあり方について検討していただきたいと思います。

 これから前年度分の、二十七年度分のふるさと納税の金額とかも明らかになってくると思いますので、第二回定例会でもこの点については取り上げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

平成27年11月26日 第4回定例会

 東京都は、国の地方法人課税の不都合な偏在是正措置により、これまで一兆三千億円もの財源を失っておりますけれども、さらに国は税制改正大綱や骨太の方針にこうした措置の維持拡大を明記しています。消費税率一〇%導入時にこの措置の拡大が断行されれば、都の減収額は年間三千億円から五千八百億円程度に膨らみ、特別区の影響額は一千億円、うち世田谷区の影響額も現在の四十七億円から約八十億円にまで拡大すると危惧されます。

 また、総務省は、十月二十三日、ふるさと納税の今年度上半期の寄附額が前年度比約四倍の約四百五十四億円に上ったことを発表いたしました。通年換算ではその二倍、約九百億円から一千億円になるものと予測できます。つまり、世田谷区のふるさと納税による税収の流出も四倍の約十一億円程度になるのではないかと危惧されます。

 そこでまず、ふるさと納税についてですが、区は本年度のふるさと納税の影響額をどの程度になると見込んでいるのか伺います。また、三定で私のふるさと納税に関する質問に対し、寄附文化の醸成をしていきたいとの回答でありましたけれども、どのような取り組みを行っているのか、平成二十七年度にどのような効果が出ているのかお答えください。

 全国の自治体は、このような状況に危機感を持ち、さまざまな手法で寄附の受け入れをふやそうとしております。これは、単なる返礼品競争ではなく、各自治体の魅力をアピールするシティセールスの競争でもあります。区は、国の方向性を都市部から地方への税配分とのみ解釈し、にわかに競争には参加できないとの説明をしてきておりますけれども、シティセールスという点では、世田谷区のさまざまな魅力的なコンテンツがあります。例えば美術館や花火大会、世田谷ハーフマラソン大会にかかわる返礼品の検討などは、世田谷区の魅力をアピールすることにもなります。また、現在休止している「世田谷みやげ」のインターネット販売を、ふるさと納税の返礼品の仕組みを利用することで再活性化の検討ができないかと考えますが、区の見解を伺います。

<本橋 財務部長>

 私からは、国のふるさと納税の動向を踏まえた区の影響額について御答弁をいたします。

 総務省が十月二十三日に公表いたしましたふるさと納税に関する現況調査結果についてによりますと、平成二十七年四月から九月の上半期分のふるさと納税受入額は四百五十三億五千五百万円、対前年同期比では三・九倍とのことでございます。平成二十七年度の通年の受入額をこの約二倍と見ますと九百七億一千万円と見込まれ、平成二十六年度の実績が三百八十九億二千万円であったことから、対前年度比は二・三倍と見込まれるところでございます。

 区のふるさと納税による影響額につきましては、平成二十七年度実績が二億六千万円でございましたので、これを当てはめますと約六億円前後と見込まれるところでございます。また、九月の関東東北豪雨による被災自治体への義援金も考慮しますと、増額傾向にあるものと認識しております。
 以上でございます。

<岡田 総務部長>

 私からは、まずふるさと納税に関連しまして、寄附文化の醸成に向けた二十七年度の取り組みについて御答弁申し上げます。

 区では、寄附文化の醸成を新実施計画に掲げ、寄附制度を普及し、相互の支えあいが循環する仕組みを構築することとしております。今年度は、「せたがや便利帳」を活用し寄附のPRを開始したほか、ふるさと納税制度や区の寄附制度をよりわかりやすく一括してまとめたリーフレットを作成し、区内約二百カ所で配布を始めました。また、寄附をテーマとした職員提案を受けるなど、寄附の使い道が見えやすく、寄附者の意思を尊重できる取り組みを行っているところでございます。

 こうした取り組みを重ねることで、寄附文化が多くの方々に根づき、その善意の輪を大きくすることが重要であると考えており、引き続き関係所管と連携して、一層のPRの強化に努めてまいります。

<板谷 政策経営部長>

 私からは、ふるさと納税に関し、二点お答えをいたします。

 初めに、返礼品の検討についてでございます。各自治体ではふるさと納税制度を活用して、地元特産品などをお礼として送付することで地域活性化やシティセールスの機会とする取り組みが行われており、全国的にも制度の活用が進んできております。新実施計画では寄附文化の醸成を掲げておりますが、区といたしましては、ふるさと納税の活用も含め、物や土地を含む寄附として広範の取り組みを推進していくものと考えております。

 お話しのように返礼品競争としてではなく、世田谷美術館のチケット等を活用するなど、当区ならではの取り組みが寄附を働きかける機会にもなるとともに、本区のアピールとなることから必要であると認識をしており、現在、庁内でその検討を進めているところでございます。

 次に、国は税制改正とふるさと納税の方針を容易に変えるとは思えない中、区は持続的発展をしていくためにはどのような戦略を描いていくのかとお尋ねがございました。

 御指摘のふるさと納税に伴う特例控除や法人住民税の一部国税化など不合理な偏在是正措置に対しまして、特別区長会を通じ、国の責任において必要な財政処置を講ずるよう主張しておるところでございます。一方、子どもの人口増加に伴う保育待機児対策や子育て支援事業の充実、高齢化社会の一層の進展による高齢介護需要など、今後も行政需要がふえていく中、限られた財源での政策展開が求められております。

 区といたしましては、持続可能な自治体経営を実現するため、行財政経営改革はもとより、さらなる知恵を凝らしていく必要があると考えております。
 以上でございます。

 それでは、再質問させていただきますけれども、ふるさと納税に関しては何度となく質問させていただいておりますけれども、区長、今回、ふるさと納税に関する御回答をいただいている中で、どうも余り積極的ではないのかなというふうに感じてしまうんですね。シティセールスという視点でも、世田谷のアピールをしていくにはいい機会だと思うんですが、そのコンテンツがないというふうにお感じになっているのかどうか、区長のお考えを伺っておきたいと思います。

<保坂 区長>

 再質問にお答えします。
 税源の確保という点で御指摘のような影響が出てくる予想が現実にあるわけですから、これは関心がないということではありません。

 区としてこれまで寄附文化の醸成を掲げてきました。ふるさと納税はもちろんのこと、世田谷区に寄附文化を根づかせるということで、これは相まって区の魅力等をアピールできないかと考えているところです。

 このために、世田谷区、子どもであるとか福祉であるとか、さまざま基金、みどりの基金などを持っております。こういった寄附もこれまでも相当いただいてきているわけですけれども、寄附についてのPRの充実を徹底するとともに、寄附をしたいと思った方にとってわかりやすい受付体制の工夫、これは例えばふるさと納税として受け取ることができるんですよということもしっかりお示しすることも含めてですが、また、お話がありましたように、世田谷美術館など、例えばチケットなど、これは返礼品の価格でいえばその競争にはならないわけですけれども、区のある種特性として示すという意味で意味があると思いますし、また、寄附をされた、例えばその子どもや福祉へと寄附をされた区民の方に、その寄附を使って活動している団体や現場から活動報告、あるいはお礼の手紙、あるいは障害者施設でつくられた製品などをお送りするというようなことも、寄附者に対する謝意を通して、区のさまざまな福祉政策や区民団体の活動、福祉の現場の活動も含めて知っていただく契機になるのではないかということで、関係所管に制度設計も含めた検討を指示しているところです。

平成27年9月18日 第3回定例会

 初めに、ふるさと納税について、第二回定例会に引き続き質問いたします。

 前回は、他自治体にお住まいの方から世田谷区にふるさと納税をしていただくため、魅力ある提案を検討すべきとの視点でありましたが、今回は、世田谷区民の皆さんに、他の自治体にではなく、世田谷区にふるさと納税をしてもらう魅力的な提案も必要との視点から、以下質問してまいります。

 さて、昨年のふるさと納税に関する世田谷区の収支が明らかになりました。ふるさと納税を他自治体にした世田谷区民は前年度の二千百四十四名から四千七百五十二名増加した六千八百九十六名で、増加率は二二二%、金額では二億六千百万円が他自治体へ流出したことになります。逆に世田谷区へのふるさと納税は、世田谷区民二十七名から百二十万七百八十六円、世田谷区民以外二名から三万三千円、合計百二十三万三千七百八十六円で、差し引き二億五千九百七十六万六千二百十四円もの大赤字であります。

 平成二十七年度、税制改正により、給与所得者が五団体まで確定申告不要で寄附金控除が受けられるふるさと納税ワンストップ特例制度が創設されました。所得税分が個人住民税に振りかえられ、個人住民税所得割特例控除額の上限が一割から二割へと拡充され、各種メディアでの宣伝効果もあり、利用者は倍増していると聞きます。

 これらふるさと納税の影響から、世田谷区の税収減は本年度さらに拡大することが見込まれます。税制改正の影響がない昨年度ですら前年度比約三倍増となっておりますことから、本年度の特例控除金の伸びも少なく見積もっても三倍、およそ七億八千万円が他自治体へ流出するものと考えられます。また、昨年度の世田谷区の所得割納税義務者は約四十五万六千人、所得割の賦課総額は約一千六十六億九千万円です。仮にこの全員がふるさと納税の権利を上限まで行使したとすると、約二百十二億円、二割もの減収となる可能性があります。

 ふるさと納税のポータルサイト、ふるさとチョイスからの寄附は極めて簡便で、実際の利用者数は、きょう現在、約三百万人に上ります。各自治体別にふるさと納税が可能となっておりますが、世田谷区を見ますと、返礼品もなく、競争力に欠ける印象を受けます。

 そこでまず伺いますが、さきの定例会での質問を受けての区のふるさと納税の検討状況をお教えいただきたいと思います。

 世田谷区民から他の自治体への寄附による財源の流出を防ぐためにも、世田谷区民が世田谷区に寄附をしたくなるような魅力ある提案をすべきと考えます。例えばたまがわ花火大会、ふるさと区民まつりのコンサートの指定席券、三軒茶屋のパブリックシアターの観劇の指定席券、世田谷美術館、文学館の入場鑑賞券などを過度に高額でない返礼とし、ふるさと納税の地域振興につなげることもできるのではないでしょうか。身近な区民サービスを見渡しただけでも、区民に支持される返礼サービスは次から次に浮かぶのでありますが、区の考えをお聞かせいただきたいと思います。

 世田谷区は相変わらず涼しい顔で、現状、ふるさと納税による税収確保の施策を展開していないわけでありますが、当面のふるさと納税による減収額をどのように勘案し、区民サービスを低下させることなく補うことができるのか、その方策について伺います。

 政府は、さらに企業版ふるさと納税で法人税収を地方に分配する制度の二〇一六年度の実施を目指しており、東京都でも反対の声が上がっています。確かに企業版に関しては、東京都や東京二十三区への寄附は対象外になる見通しで、多少問題があると考えます。しかし、区長会から国に対し個人版ふるさと納税制度まで是正の申し入れ等を行うことはお門違いです。個人版の制度で自治体間にハンディはなく、決してアンフェアではありません。自分が寄附したい自治体に寄附ができ、実行することは、利用する区民にとっては正しいトレードオフであるはずです。世田谷区が何の施策も展開せず、みずからの努力不足で不戦敗なわけですから、国に泣きつくのはナンセンスであります。お答えをいただきたいと思います。

<板谷 政策経営部長>

 私からは、まず、ふるさと納税の二点のお尋ねにお答えをします。

 まず、ふるさと納税のその後の区の検討状況について及び区民の皆様が区に寄附をするような魅力ある提案を考えるべきだについてお答えします。

 ふるさと納税につきましては、平成二十年度に創設された制度でございまして、自治体に寄附をしていただいた個人に対し、所得税の所得控除、住民税の税額控除を行うものでございます。

 区では、新実施計画に掲げる寄附文化の醸成という観点から、寄附制度の普及を図るための取り組みを進めているところです。この夏には「せたがや便利帳」を活用した寄附のPRを始めております。また、区民以外の方にも知っていただけるように、ふるさと納税制度の案内も含めた寄附リーフレットの作成を進め、近々配布をしてまいります。現在、職員提案制度を活用した寄附文化の醸成に向けた施策の提案募集を全庁職員へ呼びかけるなど、寄附の使い道が見えやすく、寄附者の意思を尊重できる、世田谷らしい取り組みの検討を進めているところです。

 地域社会を支え、活力ある地域を社会全体でつくるためには、御提案のようにふるさと納税を活用するなど、区内にお住まいの方からの寄附により相互の支えあい活動が循環する仕組みの構築が必要であると認識しております。区外の方だけでなく、区民の方にも、ともにその取り組みを進めてまいります。

 次に、ふるさと納税による予算の影響に対し、その方策を問うということにお答えをいたします。

 ふるさと納税による区の税収に対する影響額は年々増加傾向にあり、ワンストップ特例制度や特例控除額の上限拡充など、平成二十七年度の税制改正により、平成二十八年度以降の影響額はさらに増加をする見込みです。この寄附による減収がある自治体は地方交付税で補填をされますが、区は地方交付税が交付されないため、減収分の補填がされません。寄附を建前としながらも、税偏在是正が目的であることがかいま見え、大都市を狙い撃ちする構図ともなっております。

 これらを背景に、二十三区の特別区長会では、さきの九月十五日に、行き過ぎたふるさと納税制度の現状を捉え、金銭的価値の高い過剰な返礼品による見返りを受けた住民のみが実質税負担減の恩恵を受け、その他の住民は失われた税収入分の行政サービスの低下を甘受しなければならない不公平が生じていることについて言及し、本来の趣旨に立ち返るべきだと、東京都と連携し、税源の偏在是正措置の議論とあわせて、国に対して主張いたしました。

 一方、財政への影響だけではなく、ふるさと納税を活用しました加熱する返礼品合戦は、行政サービスの対価として税を負担するという応益性の原則に反することや、国が現在検討を進めております企業版のふるさと納税が特定企業への優遇につながるという懸念も出ております。

 こうした不合理な偏在是正措置で、限られた自治体固有の財源の奪い合いでは、地方の財源不足の根本的な解決とは決してなり得ず、区といたしましては、制度の根幹から見直すべきと考え、都及び他区と連携しながら、税制のあり方について、国に対して引き続き主張をしてまいります。

 ふるさと納税に関してですけれども、まず、政経部長にお尋ねしますけれども、いろいろなメニューが考えられる中で、世田谷区が備えている区の寄附に関する要綱、これでふるさと納税のいろんなことが考えられるんですが、これで賄えるのかということと、また、いろんなメニューを決めていく場合に、そうした政策決定は、いつ、どこで、誰がこれはゴーを出すのかということ、その二点についてお答えいただきたいと思います。

<板谷 政策経営部長>

 再質問にお答えをいたします。
 今、区では寄附の目的別に設けました六つの基金などで寄附の受け入れを行っています。そうしたことから、いろいろな寄附、基金に基づきまして、いろいろな目的というようなことになってございます。そうしたことから、例えば、議員がおっしゃるように、それぞれの目的に対して寄附をいただいて、それに対して返礼ということは十分考えられることでございます。

 そして、次の御質問ですけれども、現在の要綱のままでいいのかというようなことなんですけれども、こちらのほうは基金のほうの条例等で定まっております。また、その手続につきましては、それぞれの基金のその条例手続のほうでやっていくと思いますけれども、それほどハードルの高いことではないと思っております。
 以上でございます。

 あと、いつ、どこで、誰がという話もしたんですが、この際、区長にお聞きしたいんですけれども、返礼品を控えてきた自治体が収入減となって、方針転換をしてという事例も見られているようです。あと、墨田区は、美術館建設のために、スカイツリーの入場券を返礼として開始をする。また、愛知県の碧南市では、子宮頸がんワクチンの被害者に医療支援のためにふるさと納税を活用した寄附を集めている。さまざまこうした目的を定めてやっているという事例もありますから、例えば世田谷区であれば、本庁舎の建設の費用の一部をふるさと納税で寄附を集めるというようなことも考えられると思いますけれども、区長のお考えを伺いたいと思います。

<保坂 区長>

 再質問にお答えをいたします。
 ふるさと納税に関しては、大変手続も簡素になり、範囲も広がったわけなので、これまで以上に区民が他の自治体に寄附をし、そこはもう返礼品合戦になっているわけですから、その傾向に対して、区長会全体として是正を申し入れているというようなことを踏まえると、ふるさと納税でダイレクトに何か返礼品を世田谷区が突き出していくというのは難しいだろう。ただ、同時に、今おっしゃったように、世田谷区にはやはり寄附文化が結構根づいていると思います。年に数回、数千万円か、場合によれば億を超える現金を、公正証書遺言で、既に亡くなった方の資産を信託銀行経由で寄附していただく。お礼を言いに行きたいんだけれども、亡くなっている、こういうケース。また、自宅を公園に提供したいとか、そういったさまざまな寄附がございます。社会福祉協議会のほうにも相当あると聞いています。

 そういったことから、今、議員がおっしゃるような用途別の、既に区には子ども基金等の基金があります、トラストもありますけれども、新たな基金を設けて、そこに寄附をしてもらう、そこに対して何らかのインセンティブを考えるということは可能だと思いますし、これはちょっとよく研究しなければいけないんですが、既にした寄附に対して、事後的にふるさと納税の手続ということも可能だというふうにも聞いておりますので、その点もよく研究していきたいと思います。

 また、デザインナンバーというナンバーを国土交通省に提案してまいりました。区であるデザインを決めて、このデザインに対して、そのナンバーを取得していただいた方には一定の基金に寄附が入るという仕組みを提案して、今、国交省のほうで制度設計の具体化の検討会が始まっています。

 いずれにしても、寄附文化の醸成ということをキーワードにして、議員御提案の趣旨もしっかり受けとめて検討してまいりたいと思います。

平成27年6月17日 第2回定例会

 次に、我が会派の青空議員からも質問がございましたけれども、ふるさと納税について加えて質問いたします。

 四月からふるさと納税制度の上限額が二倍に、さらに所得税から住民税になり、確定申告に簡単なワンストップ制度が導入されました。このままでは、ふるさと納税の収支は世田谷区税流出、減収へとつながることは必至です。景気回復とあわせてもともと財源が豊かな世田谷区には危機感が感じられません。

 さきの質問でも述べたように、田舎の自治体だけが対象の制度ではなく、都市部の世田谷区も対象になる寄附金制度なのに、他人事のようにこの制度を積極的に活用せず、税収確保に取り組んでこなかった世田谷区の態度は怠慢そのものではないでしょうか。全国の自治体がこの制度を利用し、産業活性化と財源確保にしのぎを削っており、高価過ぎる返礼品に過熱ぎみとさえ言われております。海産物の返礼で一番人気の長崎県平戸市の十四億円の寄附金収入をトップに、佐賀県玄海町の十億円と続きます。

 そこでまず、世田谷区のふるさと納税制度による寄附金収入の現状は幾らか、それで何人からいただいているのか伺います。

 世田谷区の産品が各地のブランド産品と太刀打ちできるかどうかは別として、強調したいのは、世田谷区にしか提供できないサービスがあるということです。世田谷区が全国に誇れる魅力ある文化施設や著名人などの資源に着目をしてサービス提供ができれば、全国の名立たる産品にも匹敵する競争力を発揮することができるのではないかと考えます。

 例えば、成城の東宝撮影所や各種スタジオ、岡本の無名塾、下北沢のさまざまな演劇の場、三軒茶屋のパブリックシアター、かつては砧にあった円谷プロなど、一大文化施設群があります。さらに、「ゴジラ」や「七人の侍」、「ウルトラマン」のふるさとも世田谷区です。加えて、幾多のアスリートを輩出している区内大学や指導者も資産です。

 こうした世田谷区にしかない資産を活用した体験や見学といったコンテンツを、企業や大学などの関係団体の協力のもと、ふるさと納税への感謝として提供できれば、寄附金の増加はもちろん、世田谷区に全国から訪れていただくことによる産業や商業、そしてまちのにぎわい創出など新たなシナジー効果も期待できると思います。知恵の出し方はまだまだあると思います。区民や区の職員も含めて提案コンペなどをやるのも一案ではないでしょうか。

 今後の世田谷区のふるさと納税制度を活用した寄附金収入への取り組みを、年度目標も設定して行うべきと思いますが、区の取り組みの現状と課題、その他の見解について伺います。

<板谷 政策経営部長>

 私からは、ふるさと納税について二点お答えをいたします。

 初めに、寄附金収入の現状でございます。平成二十年度に創設されたふるさと納税制度は、自治体に寄附をしていただいた個人に対し、税控除による優遇措置を与えるという制度でございますが、当該税控除が、主に寄附者がお住まいの自治体から控除するという仕組みのため、自治体財源へ影響を伴うものとなります。

 昨年度実績では、世田谷区への寄附総額は約四億五千六百万円と大きな歳入となっておりますが、そのうちふるさと納税と推定されます個人からの寄附金は二十九名、約百二十万円程度でございます。一方、世田谷区民が当該制度を活用し、他自治体等へ寄附したことによる区税の控除では、約九千万円の税収減となり、その影響を一層注視する必要があると考えております。

 次に、区の取り組みについてでございます。区では持続可能で強固な財政基盤を構築するため、新実施計計画における行政経営改革の推進で掲げる基本的な考え方のもと、さまざまな手法による税外収入の確保に取り組んでいるところです。区の財政状況として、ますます複雑・高度化する行政需要に対し、福祉や子育てなどのメニューに特化した指定寄附の呼びかけは、税外収入の一環として財源確保につながる有効な手法と考えます。区といたしまして、寄附制度の普及を図るための取り組みとして、「せたがや便利帳」を活用したPRや、寄附メニューを一括で取りまとめたパンフレットを今年度中に作成、周知する予定です。

 御提案の趣旨を踏まえながら、制度本来のあり方を逸脱することなく、寄附全体としての理解を求める制度周知を初めとして、寄附の使い道が見えやすく、寄附者の意思を尊重できる世田谷らしい取り組みを進めてまいります。
 以上でございます。

 再質問の確保のためちょっと早口で質問させていただきましたけれども、まず政策経営部長に伺いますが、ふるさと納税は、私はこれは二回目の質問なんですけれども、一番初めに質問してから今まで庁内でどういう検討をされて、何をどう進めてこられたのか、ちょっと伺いたいと思います。

 先ほどの質問でお答えをいただいていない、コンテンツの返礼を検討したらどうかというような問題とかいろいろありますので、お答えをいただいていないので、お答えできるならお答えいただきたいと思います。

<板谷 政策経営部長>

 前回質問をいただきましてから関係する所管のほうで検討を進めております。

 まず、ふるさと納税につきましては、そもそも自分が地方で十八歳まで育ったところ、地方に対してお返しをするということ、そういったところの趣旨から始まった制度である点、それがややもすると、今、国の総務省のほうからも注意をされていますけれども、商品にかわってということで過熱をしていると。そういった中で、世田谷としてどういうふうに進めていくのかということを考えてまいりました。

 そこにおきますと、私どもは基本計画でも寄附文化の醸成ということを掲げておりますけれども、そこがまず必要ではないかということで、今回御答弁申し上げましたとおり、リーフレットの作成等、周知することからまず始めていこうということをまとめまして、今回御答弁をしたことでございます。

 また、職員提案等につきましては、私どものほうも広く職員のほうの意見も徴する機会というのをこれから前向きに考えてはいきたいと思っております。

 続けて、この問題について区長に伺いますけれども、今の回答は極めて消極的だと思うんですね。それで、現状としては、ふるさと納税制度の活用による収支は、世田谷区は出ていっているお金が九千万円、世田谷区から他自治体に寄附している方が二千百四十四名で、世田谷区に寄附してくれている方は百二十万円で二十九名と、全く赤字なわけですね。この現状を解消していくためには、さまざま提案した内容等も検討していただいて、実証していただきたいと思うんですが、区長の考えを伺います。やる気があるのかどうかですね。

<保坂 区長>

 再質問にお答えをいたします。
 おっしゃるように、世田谷区にお住まいの方が他の自治体にふるさと納税をする金額に比べて、極めて二十九件と百数十万円ということで、この点に関しては非常に考えていかなければならないだろうと思っております。

 先ほど政経部長も答えましたけれども、区民の意見、あるいは議会からの提案、そして職員自身が工夫して制度設計する、これは積極的にやっていきたいと思います。

 なお、ふるさと納税に関して、この二十九件の中の多くは区民なんですね。要するに世田谷区にお住まいの方が世田谷区を対象にということなので、一つはデザインナンバーということで、いわゆるアメリカのカリフォルニアなどでナンバーにみどりのトラストであるとか、虐待防止だとか、そういったことを盛り込んだデザインを入れたナンバープレートでそこに寄附を置いていくよということを既に国交省に申し入れて、これを検討されているところですが、このふるさと納税に関しても、今、寄附文化の醸成という言葉がありましたけれども、例えばこども基金だとか、みどりのトラストだとか、個人の寄附は非常に少ないんですね。そういうことに、あとメニュー表を出して、これについて、区内に住んでいる方が世田谷区にというところの回路も太くできるだろうと思います。

 また、とりわけ首都圏近郊で、世田谷区がそう遠くないという方においては、さまざま文化施策を行っておりますので、何かそういったものが使えるとか、そういうことも含めて検討し、このふるさと納税は非常にこれから広がっていくと思いますので、都市間競争でもあり、世田谷区外にあって世田谷区を応援していただくという方をふやしていくために、具体策を進めていきたいと思います。

平成26年10月14日 9月決算特別委員会

 次に、区民生活の領域で伺いましたふるさと納税、これは実は寄付金控除の特例ということで、自治体の財政にもかかわるので、この補充でお聞きしますけれども、実は名前とは随分制度がかけ離れていて、全国どこの自治体に住んでいても、どこの自治体に対して寄附行為をしてもいいという制度なんですね。ですから、世田谷区の場合には、今実績で言うと、世田谷区から寄附をしている方というのは年間約一億五千万円の控除を受けていらっしゃる。いわゆる住民税が一億五千万円分少なくなっているということなんですね。そうすると、その一億五千万円で税収がその分減っているわけですから、その税金が入ってくれば、例えば子育てのこともできただろうし、いろんなこともできただろうしというふうに考えれば、このふるさと納税というのは、名前がふるさと納税で、世田谷区は都会だから関係ないや、一おりたというふうな話ではなくて、制度そのものをよく検討すれば、これは自治体間の競争ということもあって、税収をふやすということではすごくいい制度だと思うんですね。

 ですから、区長もその寄附金に関してはいろいろ取り組みをしようというような話もされていたと思っておりますけれども、世田谷区は今、昨年度の寄附金というのは百万円ちょいぐらいですね。ということなので、ぜひこの制度を検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

<板谷 政策経営部長>

 今お話にありましたふるさと納税なんですけれども、いわゆる寄附のような扱いになっています。区といたしましても、ほかの自治体の例を参考に、できるだけ税収増と寄付文化の醸成ということから、関係所管と協議して取り組みを進めてまいりたいと思います。

ぜひ検討していただくように重ねて要望しまして、私の質問を終わります。

平成26年10月3日 9月決算特別委員会

 次に、ふるさと納税というのが、今テレビを見ていると、この自治体から牛肉をもらったとか、ケガニをもらったとかという話がよく出てきて、自治体によってはふるさと納税ということを利用して、町おこしだったり、村おこしだったり、地域ブランドを形成したりというようなことで、さまざまな側面でこの制度そのものを利用しているというようなことがあると伺っております。

 ただ、これは納税と言いながら、その性質は自治体に対して寄附をした場合の寄附金控除の特例だということでありまして、寄附をすることによって税金も安くなって、その上、その自治体から御褒美に特産品がもらえるということで、大変お得な制度だということなものですから、いろんな方が、世田谷の区民の方も、恐らくほかの自治体に寄附をされている方も大勢いらっしゃるんじゃないかなと思うんですね。

 その上で、世田谷区はこの取り組みに参入するのかどうか、賛成していくのかどうかということは大切なことなんですが、どうもここではちょっと聞けないみたいで、補充のところで政策的なことはお聞きすることにしますけれども、この政策自体、例えば世田谷の「世田谷みやげ」であったり、世田谷ブランドであったりとかということを発信するその一つの装置としてはとてもいいものだと思うんですね。

 国の制度として、各自治体が今大変利用しているということに鑑みれば、世田谷区も自分のところの、例えば「世田谷みやげ」であったりとかというものを宣伝していく、納税をしてもらって、そのかわりにそういう方に返礼で差し上げるとかといったこともいいことではないかと思うんです。

 この点について、産業政策の立場から、「世田谷みやげ」だ、世田谷ブランだということにさまざま政策をされているわけですけれども、この制度を利用した世田谷区のブランド発信ということは私は可能だと思うんですが、いかがでしょうか。

<馬場 産業政策部副参事>

 平成二十年度の税制改正によって創設されましたふるさと給付金がふるさと納税として広く知られておるというふうに認識しておりますが、世田谷区の特産品として、今御指摘のありました「世田谷みやげ」ということも想定されます。こういったことの導入につきましてメリット、デメリットなども含めて、関係所管と連携しながら検討してまいりたい、このように考えております。

これはもともと地方と都市部の自治体の格差を埋めるためにということで発想されたんですが、どうも制度化されたら、どこの自治体に住んでいる方でもどこの自治体にでも寄附ができるという制度に今置きかわってしまっているわけですね。だから、世田谷は都市部にあるんだから、ふるさと納税はなじまないんじゃないかというような考えで、これに参入しないというのは私はおかしいと思いますので、ぜひ検討していただきたい。